500VM超の大規模システムをAWSへ移行。運用の属人化を解消しBCP対策も実現
半導体不足によるハードウェア調達の長期化やリソース不足による新規サーバ追加が課題となっていたコンサルティング企業A社。同社は、500VM以上の大規模仮想化基盤をAWSへ移行することで運用の属人化を解消し、BCPの強化を実現しました。さらに、クラウドサイジングの最適化により、コスト効率を改善しました。同社のショーケースについて紹介します。
大規模仮想化基盤の運用で顕在化した課題
コンサルティング企業A社は、500VM以上の大規模な仮想化基盤を運用していました。仮想化技術の導入により、システムリソースを効率的に活用してきたものの、事業の急速な成長に伴い、いくつかの深刻な課題に直面することとなりました。
最も切迫していたのが、リソースの逼迫による新規サーバ追加の困難さです。システム拡張が思うように進まず、新規プロジェクトに必要なリソースの確保にも苦慮する状況となっていました。このままでは新規案件への対応が遅れてしまい、ビジネスチャンスを逃すことにもなりかねません。
加えて、世界規模での半導体不足の影響により、新規ハードウェアの調達には最短でも半年を要する事態となりました。その結果、インフラ拡張の適切なタイミングを逃し、事業計画の遅延だけでなく、事業継続計画(BCP)の整備にも支障をきたす状況に発展してしまったのです。
さらに深刻だったのが、運用管理業務の属人化でした。特定の担当者への依存度が高まり、日常の運用効率が著しく低下。緊急時対応が必要となるシステムトラブルが発生した際も、その担当者の出社を待たざるを得ないなど、事業継続性の面で大きなリスクを抱えていたのです。
ご提供したサービス・ソリューション
AWS構成図
運用付きクラウドサービス 「EcoOne」のご紹介
EcoOneとは、JBCCのクラウド運用サービスとクラウドベンダーの提供するリソースがセットになった、運用付きクラウドサービスです。
JBCCがこれクラウドサービスの提供を通じて培ってきた実績を生かして、クラウド基盤の運用をトータルサポートします。
クラウドコスト削減・最適化を運用で継続的にご提供
構築当初のサイジング(初期サイジング)を運用の中で適正化し、クラウドコストを最適化致します。このアプローチは、弊社運用サービスの中に含まれているため、今後新たに仮想マシン等が増えた場合においても、同様に最適化を継続してご支援致します。コスト最適化以外に、従量コストの予期せぬバーストを防ぐ予実管理機能、明細出力機能などもご提供可能です。
AWS移行による運用効率化とコスト最適化の実現
これらの課題を解決するため、同社はAWSへの移行を決断しました。移行にあたっては、クラウドサイジングを最適化するとともに、AWSの各割引プログラムを戦略的に活用することで、ランニングコストの最適化にも成功しています。
コスト面では、まずリソースの使用状況を詳細に分析し、各システムに最適なインスタンスタイプを選定。さらに、システムの利用パターンに応じてオンデマンドインスタンスとリザーブドインスタンスを適切に使い分けることで、コスト効率を大幅に改善。定期的なリソース使用状況を見直すことで、必要最小限のリソースでの効率的な運用を実現しています。
運用面では、JBCCの「EcoOne AWS」を導入し、インフラ運用の平準化を推進しています。これにより、運用手順の標準化と自動化を実現し、特定の担当者に依存していた運用業務を効率化。結果として、運用品質の向上とコスト削減を同時に達成し、システム全体の信頼性を向上させることに成功しました。
豊富な実績に基づく包括的なサポート体制
移行プロジェクトの成功を支えたのが、これまでに450社以上のクラウド基盤移行を支援してきたJBCCの豊富な実績です。この経験を活かし、移行計画の立案から実施、その後の運用まで、包括的なサポートを提供します。
A社が特に重視したのが、既存のオンプレミス環境で培ったノウハウとAWSのベストプラクティスの融合です。オンプレミス環境特有の考慮点を踏まえた移行計画の立案により、システム停止時間を最小限に抑え、スムーズな移行を実現しました。
また、環境構築から運用まで一貫したサポート体制を構築したため、移行後のクラウド環境の安定性も確保しています。統一された運用基盤と自動化ツールの活用により、品質のばらつきを防ぎ、属人的な業務も大幅に削減することができました。
今後の展望
AWS移行により実現したコスト削減効果を活用し新たな事業領域への投資を進めています。特に、デジタルトランスフォーメーション関連の新規サービス開発に注力し、顧客へのさらなる価値提供を目指しています。
また、運用の属人化が解消されたことで、より柔軟な事業展開が可能になりました。24時間365日の安定運用体制が確立され、課題であった緊急時の対応力も向上しています。システムリソースの迅速な追加が可能になったことで、新規プロジェクトへの対応力も強化されました。
さらに、AWSの各種セキュリティサービスの活用により、セキュリティレベルの向上も実現。コンプライアンス要件への対応も強化され、より安全なシステム運用が可能になっています。
JBCCの豊富な移行実績に基づく最適なクラウド環境の構築により、今後も効率的な運用を継続していく予定です。クラウドネイティブな開発手法の導入も検討しており、さらなる開発効率の向上とイノベーションの加速を目指しています。
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