会社間で生じた「情報共有の壁」をkintoneで乗り越える! 担当者を疲弊させたアナログ業務が、アプリ利用で激変
写真:2025年12月取材当時のメンバー(三菱HCキャピタルのベンダーソリューション営業本部、 IT・事務本部、三菱HCビジネスリースより参加)
三菱HCキャピタル株式会社様、三菱HCビジネスリース株式会社様は、グループ間の連携業務においてkintoneを活用したDXに取り組んでいます。組織の統合に伴い発生したアナログ業務の問題をkintoneで解消しました。どのようにkintoneを活用したのか、三菱HCキャピタル株式会社の小林氏、畔柳氏、宮﨑氏、桑野氏、須々木氏、三菱HCビジネスリース株式会社の関口氏、伊能氏にお話を伺いました。
| 会社名 | 三菱HCキャピタル株式会社 様/三菱HCビジネスリース株式会社 様 |
|---|---|
| 設立 | 1971年4月/2001年2月 |
| 所在地 | 東京都千代田区/東京都港区 |
| 事業内容 | 各種物件のリース、各種物件の割賦販売、各種ファイナンス業務等(三菱HCキャピタル株式会社 様) 総合リース業(三菱HCビジネスリース株式会社 様) |
Excel を介したやり取りが、問い合わせ対応のタイムラグを生む 導入前の課題と導入後の効果
kintoneで必要な情報を即時参照し、組織の壁を越えたスムーズな連携を実現
ベンダー・サプライヤーからの問い合わせに迅速に対応できない
- 別会社のシステムを参照する権限がなく、営業担当者が契約情報を参照できなかった
- 契約照会は Excel フォームとメールで行っていたため、確認・返信にタイムラグが生じていた
- 記載不備や情報不足による手戻りが頻繁に発生し、担当者の心理的負担が増大していた
契約内容の照会から契約変更の依頼までのプロセスを大幅に効率化
- kintoneアプリから必要な情報を参照でき、迅速な問い合わせ対応が実現
- 営業担当者が参照できる情報が増えたことで、提案力を強化
- 手戻りが激減し、スムーズな業務処理が可能に
統合によりギャップが発生、アナログ作業に悩まされる 導入の経緯
三菱HCキャピタル株式会社様、三菱HCビジネスリース株式会社様の事業概要をお聞かせください。
畔柳:三菱HCキャピタル株式会社は、2021年に三菱UFJリースと日立キャピタルの統合により誕生した総合リース会社です。銀行系の資金力とメーカー系の事業知見を融合し、リース・ファイナンスを軸に航空、ロジスティクス、不動産、環境エネルギーなど、幅広い分野でグローバルに事業を展開しています。
私と小林、宮﨑が所属するベンダーソリューション営業部は、ベンダー・サプライヤーと提携し、機器を使用するお客さまへさまざまなファイナンスメニューをご提供する仕事をしています。その中でベンダー・サプライヤーに対して窓口業務や営業活動を専門に担当しているのが、関口や伊能が所属するグループ会社の三菱HCビジネスリース株式会社です。
kintoneを導入した背景についてお聞かせください。
小林:三菱HCキャピタルグループでは、ベンダーファイナンスの窓口業務をサプライヤーごとに役割分担しており、三菱HCビジネスリースとの連携が必要なケースもありますが、別会社のため各々の業務システムが併存する状態であり、スタート当初は複雑な業務を手作業でカバーせざるを得ませんでした。担当者がメールと Excel を駆使して、言わば力技で業務を回している状態で、誰もが疲弊しているのが明らかでした。この煩雑な作業から担当者を解放したいと思い頭に浮かんだのが、すでに社内で活用していたkintoneです。kintoneであれば、コストをかけずに課題が解消できると考え、2025年1月にkintoneの勉強会を開催するところから始めました。その上で「契約検索アプリ」と「連携アプリ」を作り、メンバーのフィードバックを反映して改良していきました。
最初にkintoneを導入したきっかけはどのようなことだったのでしょうか。
須々木:当社が最初にkintoneを導入したのは2021年度です。基幹システム管理外の期日管理改善から始め、JBCCが主催するkintoneハンズオンセミナーへの参加を経て、徐々に活用の幅を広げています。
桑野:今までシステムを開発する時は事業部門から依頼してもらい、IT部が開発をする流れでした。この進め方だとスピード感のある対応ができないため、各部門が自力で課題を解決できるツールを探していました。いくつかローコード製品を検討しましたが、kintoneが一番わかりやすくアプリを作成できると考え、導入することになりました。
導入時のJBCCのサポートについて、感想をお聞かせください。
須々木:kintone定着に向けて、これまでさまざまなご協力をいただいています。現在の利用者の数は約30部店、800名弱ですが、アプリの作成ができる人は部店ごとに1~2名に留まっており、アプリ作成者を増やすことが課題です。そこで自社開催の説明会に加え、JBCCに社内向け説明会を実施していただきました。手厚いサポートに感謝しています。
kintoneから必要な情報を参照可能に 導入のポイント
業務を手作業で行っているというお話がありましたが、具体的にはどのような弊害があったのでしょうか。
伊能:一番の問題は、窓口を担当している三菱HCビジネスリースが、三菱HCキャピタルのシステムにアクセス権限がないため、お客さまの契約情報を参照できないことでした。契約情報を参照するには、契約を特定するための情報を Excel フォームに記入し、三菱HCキャピタルへメールで依頼しなければなりません。ベンダー・サプライヤーから契約について問い合わせがあった時に、即答することができない状態が続いていました。
宮﨑:三菱HCキャピタル側で依頼メールを受け付けると、担当者が受付の台帳に記入します。そして社内のシステムを確認して契約内容を返信します。台帳も三菱HCキャピタルのファイルサーバーにあるため、窓口である三菱HCビジネスリース側からは見ることができません。依頼の進捗がどうなっているかもメールなどで確認しなければなりませんでした。
伊能:返信された契約情報を確認して初めて「この契約をこの条件で解約してください」と再度依頼し、ようやく業務プロセスを前に進めることができます。問い合わせ用の Excel フォームに記載不備があったり、返信された情報が不足していたりすると、そのたびにやり取りが増えて不毛なキャッチボールが繰り返されました。
こうした課題をkintoneでどのように解決しましたか。
小林:三菱HCキャピタルのシステムから三菱HCビジネスリースが参照可能なデータ項目を絞り込み、kintoneに連携して契約情報のデータベースを作成しました。その上で「契約検索アプリ」を作成し、「契約検索アプリ」のボタンから該当する契約について「連携アプリ」に遷移する仕組みです。メンバーに利用してもらいながら試行錯誤して改良を繰り返し、2025年9月に正式にリリースしました。
情報を網羅できたことで新たな提案が可能に 導入の効果
kintoneを導入して、どのような効果がありましたか。
伊能:契約が多いお客さまの場合、問い合わせがあった時に複数の契約の中から特定する必要があります。従来は、お客さまの住所、電話番号、支払金額など、わかっている情報を全て Excel に記入して問い合わせをしなければなりませんでした。kintone導入後は、「契約検索アプリ」でお客さまの全ての契約情報が分かるため、ベンダー・サプライヤーからの問い合わせに即答できるだけでなく、契約状況を踏まえて新たな提案ができるようになりました。営業担当者が提供するサービスレベルを向上できたのが最大の効果だと思います。
小林:まだリリースしたばかりのため、定量評価はこれからになります。ただ、kintoneを導入する前は、依頼フォームの作成とメール送信が1件につき5分~10分かかっていました。さらに、何回もやり取りをして1日がかりで作業したこともあります。その工数を考えると費用対効果は高いと判断しています。
畔柳:業務効率化だけでなく、伊能さんのように最前線で活動する営業担当者の心理的な負担を取り除きたいという思いで作りました。今日伊能さんのコメントを聞いて、費用対効果には表せない効果があると改めて感じました。
kintoneの良さはどのような点にあるでしょうか。
宮﨑:アプリを実際に使ってみて、業務を担当する人皆でシステムをどのように改良していくか考えて、反映できるスピード感が圧倒的です。社内システムを改良しようとすると、費用対効果やそもそも必要なのかを検討するところから始めて申請するため、開発したものがリリースされるまで、長いものでは年単位の時間がかかってしまいます。その間に運用が変わって、改良した内容が業務とのギャップを生むことも少なくありません。このように開発の柔軟性が低いことも担当者にとってはストレスになります。即座にアプリ化できるのはkintoneの良さだと思います。
Excel からkintoneに業務が変わるということで、利用者の方の抵抗はなかったでしょうか。
関口:kintone導入に関して利用者にアンケートを取っているのですが、伊能さんが言うように「業務負荷がかなり軽減された」「利便性が格段に向上した」というポジティブな意見が非常に多かったです。ネガティブな意見はあまりなく、私も集計して驚きました。
業務フローを再検討し、さらなる効率化へ 今後の展望
今後の展望についてお聞かせください。
小林:2025年12月時点では、kintoneを活用した連携業務は旧三菱UFJリース領域に限定して実施しています。一方で、2026年1月には旧日立キャピタル領域の契約情報が、旧三菱UFJリース領域の契約を管理しているシステムへ統合される予定です。これにより、旧日立キャピタル領域の契約についても、kintoneを活用した連携業務が可能になります。
そのため現在は、旧日立キャピタル領域の契約に関する連携をkintoneで行うための要件整理や、アプリの改修が直近の課題となっています。この課題を解消することで、連携業務全体をよりシンプルで分かりやすい運用にできると考えており、ぜひやり遂げたいと考えています。
利用者からは「kintoneアプリが使いやすい」という声も多く、現場に定着しつつあることを実感しています。kintoneアプリの継続利用も含め、業務にとって最適な形を検討しながら、柔軟に改善を続けていきたいと考えています。また、「kintoneでこの業務も効率化できないか」といった相談も寄せられており、連携業務にとどまらず、kintoneの活用の幅がさらに広がっていくことを期待しています。
JBCCに期待することについてお聞かせください。
桑野:IT部としては、kintoneをさらに業務に活用してもらうため、各部門に寄り添った形で業務フローを検討するところから一緒に取り組む予定です。IT部では、実務担当者で気付けない活用アイデアを出して、効率化の促進につなげたいと考えています。kintoneの活用事例についてはJBCCに知見があると思うので、よりよい業務になるように支援いただければと思います。
●本記事は2025年12月に取材をしたものです。
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【kintone導入事例】三菱HCキャピタル株式会社 様/三菱HCビジネスリース株式会社 様
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