Power Virtual Server Hints&Tips ~Storage編~
オンプレPowerからPower Virtual Server(PowerVS)へ移行をご検討の方へ、ご参考となる技術的な内容「Storage編」をご紹介します。 Storageサイジングに関しては主に以下の項目についてのご検討が必要となります。
- 現行利用のStorage稼働状況はどれくらいなのか?
- どのようにStorage種類・容量を決めればいいのか?
- PowerVS上での考慮事項は何か?
現行利用のStorage稼働状況はどれくらいなのか?
Storageの現行リソース状況を確認するには月末・月初など業務のピーク時に合わせてパフォーマンスデータの取得をして、分析する事をお勧めいたします。
パフォーマンスデータ分析のディスクアーム稼働率の推移から現行状況把握

- DISK稼働率のグラフからは、7:00頃のバッチ処理時に閾値の40%を少し超える数値が見受けられます
- DISK稼働率が高い場合、メモリーの不在率も同時に確認する事が重要です
- メモリーの容量が少ない場合、DISKへのページング頻度が多くなる事も予想されます

- 実際のI/Oの処理回数を見ると、7:00頃のタイミングで70,000回以上発生しており高負荷な状態が確認できます
- 現状のスペックを維持しようとするのであれば、I/Oの回数72,000以上が必要となります
2. どのようにStorage種類・容量を決めればいいのか?
次にPowerVSへ移行するにあたり、現行利用からどのようにサイジングしていけばいいかを記載します。
基本的にはストレージ・タイプを決定して、そのタイプにより容量に見合ったIOPS能力値となります。
ストレージ・タイプ
ストレージ・タイプ | IOPS能力値 |
---|---|
Tier 0 | 25 IOPS/GB |
Tier 1 (NVMe-based flash storage) | 10 IOPS/GB |
Tier 3(SSD flash storage) | 3 IOPS/GB |
Tier 5K | 5,000 IOPS(最大200GBまでのボリュームで選択可) |
① PowerVSではストレージの種類は上記の4種類から決定する必要があります。
② 前頁の分析結果から、最低72,000 IOPSが必要となります。
③ その結果、以下のような容量が必要となります。
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上記のサイジングはIOPS値から測定した結果の容量だけを示しておりますので、実際のDISK使用率や仮想テープ装置のバックアップを考慮した内容も検討する必要がございます。
3. PowerVS上での考慮事項は何か?
Storage内の仮想テープ・バックアップ容量も考慮
Power9 S914 4coeモデル | |
---|---|
CPU (CPW) |
1.0core 13,125 |
Memory | 64GB |
Storage | SSD 387GB x 8 = 3,096GB (Mirror 1,548GB) 使用率73% = 1,130GB |
- 仮想テープ保存にて現状の約2倍を確保1,130GB x 2 = 2,260GB
- 使用率70%でサイジング = 約3,200GB
-
NVMe Tier0 25 IOPS/1GBの性能につき、3,200 x 25 = 80,000IOPS
※ICOSへのバックップ保管の際に、PVS内の仮想テープ装置領域の考慮が必要
Storage論理ボリュームは、基本100GBで統一する
例えば 1,000GB必要な場合、それぞれのボリュームでサイズが異なると最適なパフォーマンス得られない可能性がある

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