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オンプレPowerからPower Virtual Server(PowerVS)へ移行をご検討の方へ、ご参考となる技術的な内容「CPU編」をご紹介します。
CPUサイジングに関しては主に以下の項目についてのご検討が必要となります。

1. 現行利用のリソース状況はどれくらいなのか?
2. どのようにコア数・CPW性能値を決めればいいのか?
3. PowerVS上での考慮事項は何か?

1. 現行利用のリソース状況はどれくらいなのか?

CPUの現行リソース状況を確認するには月末・月初など業務のピーク時に合わせてパフォーマンスデータの取得をして、分析する事をお勧めいたします。

パフォーマンスデータ分析の構成要素報告書からバッチ処理と対話処理のCPU使用率の現行状況把握

pvscpu_graph.jpg

 

●考察POINT① 現行のモデル・コア数・周波数・CPWの確認

9009-41Aモデル、4core(1core活性化)、3.8 GHz、13,125CPW(CPU性能値)

●考察POINT② 1日の稼働状況はどのように推移してるのか?

早朝と夜間のバッチ処理のみ最大50%の負荷
日中に関してはCPU稼働率は低い
閾値70%には達してないので、サイズダウン可能

●考察POINT③ ピーク時はどのような業務が稼働しているか?

早朝はマシン起動で負荷がかかっており業務利用ではない
・夜間はバッチ更新時で1時間程度ピークが発生

 

上記の結果、PowerVS移行するにあたり、お客様環境の把握とダウンサイジングへの影響の検討が必要です。

 CPU使用率が一定ではなく時間により変動するような場合は、どのような業務処理が流れていたのか
 夜間処理であれば現状より時間が長くなっても許容できる範囲なのか

 

2. どのようにコア数・CPW性能値を決めればいいのか?

次にPowerVSへ移行するにあたり、現行利用からどのようにサイジングしていけばいいかを記載します。

 

CPW性能値で比較

現行マシン Power9 S914APowerVS Power10 S1022
利用CPW 割当コア数 利用CPW 割当コア数
6,562CPW 1.0コア 6,543CPW 0.25コア

 

●考察POINT

パフォーマンス分析の結果、最大でも50%程度の性能があれば大丈夫と判断
現行CPW 13,125 x 50% = 6,562CPW必要
・PowerVSはPower10サーバーが基盤となり、0.25core単位での契約が必要
PowerVS 0.25core = 6,543CPW

 

周波数とコアの割合で比較

現行マシン Power9 S914APowerVS Power10 S1022
①クロック数 ②割当コア数 レスポンス
① x ②
①クロック数 ②割当コア数 レスポンス
① x ②
3.8GHz 1.0コア 3.8 3.9GHz 0.25コア 0.975

 

●考察POINT

RPGやCOBOLなどの単一ジョブのレスポンスに関しては周波数とコアの影響も発生する事も考慮する
上記の例のように、PowerVSで0.25コアにするとレスポンス係数が落ちます
夜間バッチ処理時間への影響なども検討が必要

CPUサイジングの際は、CPWの比較だけでなく周波数とコアの関係も影響することをご理解ください。
ただし、お客様アプリケーション特性などにも左右されますので、事前検証を実施して決めていただく事をお勧めいたします。

 

3. PowerVS上での考慮事項は何か?

PowerVSのCPUタイプは以下の3つの中から決める必要があります。
PowerVSならではの考慮事項になりますので、お客様環境に合わせて最適なタイプを選択してください。

 

CPW3つのタイプ

① Dedicated(専用)
物理プロセッサーコアを専有して利用します。
コア数は整数値のみのアサインが可能で、コア性能をフルに利用できます。

●考察POINT

専用タイプなのでコアは最低1.0が必要

現行オンプレでコアを多く利用しているようなお客様が対象

●費用感

<1.17> ※②Shared capped(上限あり共有)を<1>として

 

② Shared capped(上限あり共有)
他のユーザと共有してコア・リソースを利用します。
リソースに余裕があっても、指定したコア数以上のリソースは利用しません。

●考察POINT

周波数とコアの割合で比較の例だと、PowerVS上で0.25コアを固定で割り当てる

0.25コア以上は利用できないのでCPU使用率が100%利用していないお客様が対象

●費用感

<1> ※こちらを基準として

 

③ Shared uncapped(上限なし共有)
他のユーザと共有してコア・リソースを利用します。
筐体のコア・リソースに余裕がある場合は、指定したコアより多くのコアを利用することができます。

●考察POINT

通常はPowerVS上で0.25コアを利用しており、CPU使用率が100%以上利用した際に、0.25コア以上の能力を自動で使えるようになる

余剰のコアが使えるのはリソースの空き具合による

●費用感

<0.96> ※②Shared capped(上限あり共有)を<1>として

※①-③費用感はJBCCが導入したお客様の平均値を参考として出しています

 

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