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特定医療法人敬愛会 東近江敬愛病院 様

電子カルテのクラウド化で、災害リスクに備える

電子カルテのクラウド化で、災害リスクに備える 写真前列左より 理事長 間嶋 孝 氏 / 院長 間嶋 淳 氏 / 看護部長 西塚 知恵美 氏 / 経営企画室長 兼 医事課長 伊藤 裕美 氏 / 事務次長 兼 総務課長 辻野 亜有子 氏

地域の関係機関と連携して質の高い医療を提供するために不可欠となる電子カルテのクラウド化が進んでいます。古くからの交通の要所である東近江市にある東近江敬愛病院様は、地域医療のさらなる進展を目指してクラウド電子カルテ「blanc」を導入するとともに、次世代エンドポイントセキュリティを導入することでセキュリティを強化しました。新システムのメリットや今後の活用について、間嶋 孝 理事長、間嶋 淳 院長、西塚 知恵美 看護部長、伊藤 裕美 経営企画室長兼医事課長、尾谷 宏樹 検査科長兼コンピューター情報管理主任 にお話を伺いました。

施設名 特定医療法人敬愛会 東近江敬愛病院
所在地 滋賀県東近江市
病床数 154 床(地域包括ケア病棟60 床 / 療養病棟94 床)
診療科 外科・乳腺外科・内科・心臓血管外科・脳神経外科・皮膚科・整形外科・人工透析内科
URL https://www.keiaikai.or.jp/
この記事の目次

クラウドカルテblanc(ブラン) 導入でいつでも、どこでも安心して利用できる環境を実現 導入前の課題と導入後の効果

【 導入前の課題 】
今後も安心して利用できる電子カルテの導入が必要となった
  • 厚生労働省が進める医療DX への対応が可能な環境が必要となってきた
  • 病院へのサイバー攻撃が増加し、セキュリティ強化が求められていた
  • OSやミドルウェアのサポート切れへの対応が必要となっていた
【 導入後の効果 】
blanc 導入でいつでも、どこでも安心して利用できる環境を実現
  • 医療情報交換のための標準仕様(HL7FHIR)に対応した電子カルテシステムを採用し、今後医療DXにも対応可能
  • 次世代エンドポイントセキュリティと組み合わせることでデータの流出を防止
  • 更新やバージョンアップが不要になり、コストや手間を効率化

患者さんを地域全体で支える仕組みを担う

特定医療法人敬愛会 東近江敬愛病院様の概要や最近のトピックについてお聞かせください。

間嶋理事長: 当院は、1963 年に設立した当初は外科が中心でしたが、地域のニーズに応じて診療科目を増やしていきました。また時代の流れで病院の役割が変わり、最近は高齢者医療にも力を入れています。

当院は患者さんが病気やケガを発症して間もない急性期から、回復期、慢性期までトータルで対応する病院です。近年は各病院が特定のフェーズの専門性を高め、他のフェーズを担う近隣病院と連携していく方針が国から打ち出されています。地域にはそれほど多くの病院があるわけではないため完全にどこかのフェーズに特化するのは難しいのですが、当院は回復期の機能に力を入れています。急性期の治療が終わった患者さんが安心して家に帰れるように、リハビリや自宅環境調整といった退院支援の強化に取り組んでいます。

このように患者さんが医療や介護が必要な状態になったとしても、地域全体で支えて住み慣れた地域で自立した生活を送ることができるようにする取り組みが「地域包括ケア」です。地域包括ケアは各病院との密接な連携が重要です。当院においても他院と行き来して関係性を構築し、患者さんを地域でケアする仕組み作りに取り組んでいます。

既存システムEcruと親和性の高いblancを選定

貴院は2017 年に電子カルテシステム「Ecru」を導入し、今回「blanc」に移行されました。その経緯についてお聞かせください。

間嶋院長: Ecru を導入する前は紙カルテだったのですが、近隣病院で電子カルテ化が進んでおり、他の病院から来る医師のためにも環境整備が必要でした。

blanc に移行したのはEcru の基盤となるOS やミドルウェアのサポート切れが迫っていたのが直接のきっかけですが、現状のシステムでは時代の変化に対応できなくなってきたことも背景としてあります。

国では医療DX の一環として、情報交換標準仕様に基づいた電子カルテシステムを普及させることで医療情報の標準化を図る取り組みが行われています。また最近では医療機関がサイバー攻撃を受け、診療が継続できないというニュースが増えています。そのため医療DX への対応やセキュリティ対策、BCP 対策の強化の必要性を感じており、新たなシステムへの移行を考えていました。

電子カルテをクラウド化するにあたり、製品はどのような条件で選定しましたか。

間嶋院長:国が普及を推進する医療DX に対応可能な電子カルテシステムであること、OS やミドルウェアの更新が不要で、災害に強くセキュリティ対策が強化されているSaaS 型の電子カルテシステムであることを条件に、blanc も含めていくつかの候補に絞り込みました。

西塚看護部長: 選定の際は、スタッフの意見を集約して検討しました。その際に意見が多かったのが、導入の負荷についての課題です。Ecru 導入の際は、処置セットやマスター管理の流れを決める作業について、各部署の責任者が集まり1 年かけて行いました。これだけの労力をかけて整備してきたデータの資産を次のシステムにできるだけ継承したいと考えていました。blanc は基本的にEcru の後継システムであるため、データがそのまま移行できるという期待がありました。

伊藤経営企画室長兼医事課長: 今までEcru を利用する中で使い方を工夫してきた部分もあるため、今まで積み重ねてきた改善が反映されることもblanc を選ぶ決め手になりました。blanc はEcru の機能や操作性についても継承しているため、今までのシステムに慣れているスタッフにとって負担が少ないのも魅力でした。

実際にblancに移行した際の導入で苦労した部分はありましたか。

尾谷検査科長兼コンピューター情報管理主任: 端末は当院の環境に合わせたセットアップが必要なため、180 台以上ある端末を使えるようにするまで大変でした。当院の環境からクラウドサーバーへの接続が当初はうまくいかず設定を調整する必要がありましたが、運用開始までJBCCのアプリケーションSE やインフラSE がつきっきりで問題に対応してくれたので、無事に運用にこぎつけることができました。

blanc説明画像

外部からも安全に利用できる環境になり、業務が効率化

blancを導入してどのような効果がありましたか。

間嶋院長: クラウドであるため、外出先で電子カルテを参照できるのは大きな効果だと思います。院外にいる時でも、連絡を受けたらすぐに患者さんの状態を確認して指示できるようになりました。また訪問診療でも利用できるようになり、利便性が高まりました。

西塚看護部長: blanc では、病室のベッド移動が配置画面上でできるため、直感的な操作ができるようになりました。また、画面レイアウトの改善によって機能が見つけやすくなり、これまであまり利用していなかった機能も思いのほか役立っています。

伊藤経営企画室長兼医事課長: 今までは患者さんの褥瘡などの写真は、デジタルカメラで撮影してPC にコピーするという作業が必要でした。しかし、blanc ではタブレットで撮影した画像を直接アップロードすることができて、手間が省けています。

貴院はblanc の導入のタイミングでエンドポイントセキュリティ製品を導入しセキュリティ強化を図っています。セキュリティ対策についてどのように評価されていますか。

尾谷検査科長兼コンピューター情報管理主任: 今までは管理する部署以外にデータを送信できてしまったのですが、次世代エンドポイントセキュリティを導入することにより、適切な設定がないとデータ授受が制限されるようになりました。セキュリティの甘かった部分が補強されているのがわかり、より安心して利用できる環境になったと感じています。

JBCCと取引するのはどのようなメリットがあるでしょうか。

間嶋院長: フットワークの軽さが魅力だと思います。当院ではすでにblanc を運用開始していますが、現在も定例で開催している電子カルテ委員会にJBCCの営業担当の方、エンジニアの方が参加してくれています。定期的に直接会って当院の要望を吸い上げ、親身になって対応してくれるのは有難いです。

DXで医療のさらなる進化を

JBCCに対する期待についてお聞かせください。

西塚看護部長: 既に導入している透析システムや看護勤怠システムと電子カルテには関連する部分があり、システム間の連携にはまだ課題があります。JBCCには各メーカーと円滑に連携し課題解決に向けてサポートしてくれることを期待しています。また今後も医療DX の取り組みは続くため、他院の事例があれば共有してもらえると嬉しいです。

今後の展望についてお聞かせください。

間嶋院長: 今後はマイナンバーカードと診察券の紐付けなど、医療DX についてさらなる取り組みをしていこうとしています。業務改善の面で検討しているのは、モバイル端末とblanc の連携です。医療業務をシンプルにしてミスを防ぐことができれば、業務効率化だけでなく、安全性の向上も期待できます。今後も質の高い医療と働きやすい職場作りに取り組んでいきたいと考えています。

本日は貴重なお話をありがとうございました。

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電子カルテのクラウド化で、災害リスクに備える

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クラウドカルテ「blanc(ブラン)」

クラウドカルテ「blanc(ブラン)」は、『いつでも・どこでも・だれでも』をコンセプトにした電子カルテシステムです。オンプレミスの電子カルテ「Ecru」(エクリュ)の機能はそのままに、より使いやすいレイアウトとなりました。遠隔診療や訪問医療・看護・介護といったシチュエーションにもご利用いただけます。

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JBCC株式会社は、クラウド・セキュリティ・超高速開発を中心に、システムの設計から構築・運用までを一貫して手掛けるITサービス企業です。DXを最速で実現させ、変革を支援するために、技術と熱い想いで、お客様と共に挑みます。