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【東洋インキSCホールディングス株式会社 様】kintone を活用したグループ企業全体でのDX 推進

基盤系DX 推進の決定打として選んだkintone
JBCCの伴走により、今や全社規模での活用と定着化が目前

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写真左より
東洋インキ株式会社 中部支社 管理部 部長 吉見 和彦 氏
東洋インキSC ホールディングス株式会社
グループ情報システム部 DX 推進グループ 髙橋 純平 氏
東洋インキ株式会社 中部支社 管理部 北野 貴一 氏
※本取材は2022 年9 月30 日に実施いたしました

東洋インキSCホールディングス株式会社 様

所在地:東京都中央区

創業:1896 年(明治29)1 月

設立: 1907 年(明治40)1 月15 日

事業内容:

持株会社としてのグループ戦略立案および各事業会社の
統括管理

URL: https://schd.toyoinkgroup.com/

東洋インキSCホールディングスは印刷インキや機能性化学品の製造・販売を行うスペシャリティ化学メーカー。
「色材・機能材」「ポリマー・塗加工」「パッケージ」「印刷・情報」の4 事業分野を軸に、ライフサイエンス、エレクトロニクス、エネルギー分野など幅広い市場に事業を展開している。


導入前の課題
  • 早くからDX 推進をめざすも、決定打となる解決策が不在
  • コロナ禍においても、残る大量の紙業務
  • DX 推進人材の発掘と育成
導入後の効果
  • 導入推進拠点の中部支社では91% の社員が"
    業務効率が向上"を実感
  • 全社普及活動に加え、口コミでもkintone 導入部署が全国に
    続々と増加
  • 社員が"日々改善"を意識し、自走化する企業文化へ

目次

  1. <導入の経緯>タスクフォースを、"DX 推進へ"
  2. <導入のポイント>社員自らが開発することを想定し、kintone を選定。DX 推進の頼れる"伴走者" としてJBCCをパートナーに
  3. <導入のプロセス>DX を全社で根付かせるための様々な工夫。JBCCは、運用/ 活用セッション・ハンズオンセミナーなどで支援
  4. <導入の効果>91% の社員が"業務効率が向上" を実感。DX 事例や成果の共有により、社員の改善意識が高まる
  5. <今後の展望>JBCCに次期基幹システム構築やデータ活用など幅広い視点での提案を期待

<導入の経緯>タスクフォースを、"DX 推進へ"

東洋インキグループは、学術教育の普及の土台となる書籍に用いる印刷インキの製造販売によって、社会の発展の一翼を担うとして、1896 年に創業された。以来、120 年以上にわたって、世界中の人びとの暮らしの豊かさに貢献することを念頭に、企業活動に取り組んでいる。サイエンスの力で製品やサービスを生み出し、グローバルに生活文化を創り出す企業、すなわち「生活文化創造企業」であり続けることが、同グループの使命だ。

B to B の業態である当該社においては、各機能や生産品目ごとに個別の業務フローが組立てられており、以前よりペーパーレスや標準化のニーズは高く、有志でワークを行っていたが決定的な解決方法は見いだせずにいた。このような中、2020 年にはコロナ禍が世界を覆い始める。

翌年、2021 年度には経営の承認により、DX-TF が始動。東洋インキSCホールディングスに属するグループ情報システム部を事務局とし、その下に管理系、技術系、生産系、営業・マーケティング系という4 つの部会を設け、それぞれの業務に応じたDX を推進することになった。管理系の部会長には過去の活動実績から東洋インキ株式会社の吉見氏が指名され、テレワークが急速に進む中で、必須となるペーパーレス化を最優先課題として取り組む事とした。

<導入のポイント>社員自らが開発することを想定し、kintone を選定
DX 推進の頼れる"伴走者" としてJBCCをパートナーに

ペーパーレスのツールには、当初からグループ全体に展開することを見据え、コスト的、運用的に可能なものを選定しようと考えた。そして、幅広い価格レンジで4 種類の製品・サービスを候補に挙げ、最終的に採用したのがkintone だった。吉見氏は、その理由をこう語る。「総合的なバランスで選びました。価格体系が安かろう悪かろうでもなければ過剰で高価でもなく、これならグループ全体に広げることが可能と判断しました。予算があるのなら、開発・運用そのものをそっくり任せることもできるのでしょうが、それよりは将来を見据え、業務を担う実際の現場で開発は担うからそのかわり使い勝手のいいものは何かと絞りこんでいったらkintone になりました。システムインテグレータにJBCCを最終的に選んだのは、関係者皆の総意として、最もユーザーに寄り添ってくれ、丁寧な提案を寄せてくれると感じたられたからです。例えば、当時、管理部門は劇的に増えた見積り業務が大きな課題でしたが、それに対しプラグインなどを組み合わせて、どう解決するか親身になって考えてくれました。彼らなら、これから長く続くDX 推進の頼れるパートナーになってくれると判断しました」

<導入のプロセス>DX を全社で根付かせるための様々な工夫
JBCCは、運用/ 活用セッション・ハンズオンセミナーなどで支援

とはいうものの、従来の基幹システムと違い、kintoneのようなSaaS 系で現場に役立つためのツールは今までにないものであったため、関係する各部門では実際の運用のイメージがつきづらい方も多いように感じたという。そこでJBCCでは、まずkintone におけるセキュリティや権限付与の考え方・組織/ ドメインの持ち方などを紹介。また部門やグループそれぞれに合ったアプリ作成を、自社でのkintone 活用を引き合いに出しながら、東洋インキグループとしてどう設定するのが最適かをアドバイスし、運用/活用イメージを持っていただいた。これらはセッション形式でたびたび開催された。また「ATTAZoo+」「gusukuCustomine」など、kintone を活用した業務改革をさらに加速させるプラグインを、JBCCの豊富にあるプラグインの知見よりご紹介するとともに、それらを複数部門で活用を深めるアイデアを積極的に提供した。

一方、吉見氏はkintone をベースにしたDX を全社レベルで根づかせるため、立ち上がりから"市民開発者"の発掘と育成に力を入れている。その効果を確実に享受するためには、各部署にアプリ開発が可能な社員、あるいは少なくともkintone の構造を理解して管理ができる社員がいる必要があると考えている。そして、理念に賛同して貰えそうな社員と上司に自ら声をかけ、その部署が直面する課題を皮切りの題材に、kintone を利用したときの解決イメージを示していったのだ。それも、最初は難しい課題解決をめざさず、スモールスタートを心掛け、市民開発者がステップ・バイ・ステップで成長できるようJBCCのハンズオンなども活用しながら働きかけていった。

kintone 定着のために、組織として進めた取り組みもある。1 つは、管理系部会における定期的な導入効果発表会だ。開発したアプリによってどのような成果が得られたか、具体的な事例を示すことで全社啓蒙と、新たな市民開発者の発掘、育成を促している。

もう1 つは、情報システム部門が立ち上げた「DXポータル」だ。こちらは同部門がグループに取材して集めたDX 事例を紹介するもの。東洋インキグループ流のDX の方向性や活動紹介を中心に活発に情報発信を行っており、kintone を含む様々な活用事例を成果として取り上げ、紹介している。「市民開発者コミッティー」と呼ばれる会議体も存在する。これは、グループ情報システム部とコアの市民開発者、その上司がオンラインミーティングの機会を持つというもの。ここでは、現状の課題を共有すると同時に、さらなる定着に向けた施策のあり方を両者で定期的に丁寧に議論し、決定している。

<導入の効果>91% の社員が"業務効率が向上" を実感
DX 事例や成果の共有により、社員の改善意識が高まる

 kintone が同グループに正式リリースされたのは、2021 年7 月。このときのアカウント数は約30 だったが、2022 年9 月時点で548 にまで増加、アプリ数は300 を数える。大きな効果を生み出しているアプリの代表例として、先述の見積り業務アプリがある。同社では、営業担当者が顧客企業の要請を受けて見積書を作成すると、上司の承認を受けたのち、それは管理部へ提出される。管理部ではコピーを取って、原本は営業部に戻し、コピーをファイルに綴じる。円安等の影響で原油などの素原料価格が大幅に上昇する中で、製品の価格改定作業は著しく増加している。そこでこの業務をアプリ化し、管理部を通さず営業部門だけで完結できるようにした。営業担当者はアプリ上で必須項目を入力したのち、ワークフローで上司に承認を依頼する。最終的に部門決裁が下りたら、担当者はワンクリックであらかじめアプリに登録してある角印の印影を自動挿入。これにより、管理部では営業部門の見積りに関する補助業務がなくなった。

吉見氏の指名を受け、市民開発者としてこのアプリを中部支社に展開した東洋インキ株式会社中部支社管理部北野貴一氏は次のように語る。「管理部では、見積書確認→コピー→ファイル綴じこみに、1 件当たり1 分半を費やしていました。現在、先行した十条センターと中部支社で導入され他拠点でもトライアルが始まっています。導入立ち上げから6 か月で、約4,000 件の申請、100 時間の時間短縮が実現しました。また、管理部門では見積書ファイルの管理などからも解放されるなど、定量化しづらい作業においても大きな効果が上がっています。営業部からも『見積書作成が楽になった』『決裁が速くなった』『書類の記載ミスが減った』と喜びの声が届いています」

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北野氏は最近、中部支社を対象にkintone 利用に関するアンケートを実施した。その結果『業務効率が向上した』と回答した社員は91% に上り、79% は『kintone は機能、操作性がいい』と答えたそうだ。「もともとのテーマであったペーパーレスにも確実に効いている」と吉見氏は補足する。

グループ全体へも着実に広がっているようだ。東洋インキSC ホールディングス株式会社グループ情報システム部DX 推進グループ髙橋純平氏は、次のように語る。「広がりは口コミによるものです。隣の部署で成果が出ていると知って、吉見部長やDX 推進グループのところに『うちの部門でもあれをやりたい』という要望が寄せられたり、DXポータルに載った事例を見て『あの記事の内容はどうすれば実現できるんですか』と問い合わせが来たり。kintone が入って、既存業務に対する改善意識が高まりました。その意識こそがDX の第一歩なので、とてもうれしく思っています」

<今後の展望>JBCCに次期基幹システム構築やデータ活用など幅広い視点での提案を期待

 現在、同グループでは次期基幹システムの構築構想が進んでおり、そこではkintone をユーザで構築可能な業務変革ツールと位置づけ、相互連携可能な仕組みを検討中だ。また、このツールに蓄積されつつあるデータの分析や、それをもとにした事業施策への活用も見据えている。それを前提としたアプリ構築についても、JBCCの助言が期待されている。吉見氏はこう語る。「私たちは、JBCCをkintone 活用を助けてくれるだけのベンダーとは見ていません。様々な分野で総合力を発揮してくれるシステムインテグレータとして、幅広い視点で提案してくれることを何より期待しています」東洋インキグループのDX 推進を伴走できることを光栄に思いつつ、JBCCは持てる技術とナレッジを駆使して全力支援を続けていく。

本日は貴重なお話しをありがとうございました。


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kintone を活用したグループ企業全体でのDX 推進

基盤系DX 推進の決定打として選んだkintone
JBCCの伴走により、今や全社規模での活用と定着化が目前

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JBCC 製品担当のコメント

コロナ禍によってこれまでの文化ややり方を見直しDXをどのように実現するかをご検討いただいた結果、kintoneを採用、ご導入頂き大変嬉しく思います。


東洋インキSCホールディングス様からいただきました「市民開発者」をキーワードに、各事業会社様に向けてワークショップ形式でのハンズオン導入支援やお悩み相談運用展開におけるガバナンス策定などJBCCが利用ユーザだからこそご支援出来る部分も含め、kintoneソムリエとして活動させて頂きました。

東洋インキSCホールディングス様と伴走しながら、今後も業務変革を共に歩むパートナーとなっていきたいと思います。

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クラウドDX本部 kintoneソムリエ
宮田悠登

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業務改善プラットフォーム「kintone」

kintoneは、誰でもかんたんに業務アプリが作成できるアプリ構築プラットフォームサービスです。アプリケーションはドラッグ・アンド・ドロップで作成でき、複数の業務アプリやデータベースをプログラミングなしでかんたんに作成できます。

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