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公益財団法人 新国立劇場運営財団 様

現代舞台芸術を支える基幹ネットワークを刷新 Azure 移行でインフラコスト35%削減しセキュリティ強化を実現

現代舞台芸術を支える基幹ネットワークを刷新 Azure 移行でインフラコスト35%削減しセキュリティ強化を実現 右から 総務部 施設課 課長補佐 岩村 雅人 氏 情報システム係長 藤沢 花 氏

新国立劇場運営財団は、包括的に新国立劇場の管理運営を行っており、職員等の情報共有や舞台運営の支援業務のデジタル化を推進しています。今回、セキュリティレベルの高度化を図るとともに、システムの信頼性および利便性・運用負荷軽減を実現するため、ネットワーク基盤の刷新に取り組みました。
現代舞台芸術を支えるシステムインフラの構築、その道のりと今後の展望について、岩村 雅人氏、藤沢 花氏にお話を伺いました。

会社名 公益財団法人 新国立劇場運営財団 様
設立 1997 年10 月
所在地 東京都渋谷区
事業内容 現代舞台芸術の主催公演の企画、制作及び上演、芸術家の研修、現代舞台芸術に関する調査研究及び資料情報の収集・活用、民間芸術団体等への劇場施設の利用供与等
URL https://www.nntt.jac.go.jp/

この記事の目次

アセスメントで徹底的にムダを省きクラウドリソースの最適化に成功! 
全館停電時でもサーバーが利用可能になるなど利便性も向上
導入前の課題と導入後の効果

【導入前の課題】
5 年に1 度のハードウェア更改やトラブル対応が負担に
  • ハードウェアの保守費用が高額になっていた
  • ハードウェアのトラブルが頻発し、担当者が障害の切り分けや復旧を行う必要があった
  • 部門異動が多い組織でオンプレミスのシステムを管理する難しさがあった
【導入後の効果】
クラウド化により安定したネットワーク基盤を構築
  • トータルコストを抑えたため、削減したコストをセキュリティ強化に投資
  • クラウド化によりハードウェアのトラブルが激減しただけでなく、全館停電時も業務の継続が可能に
  • 手厚い運用サポートで担当者の負荷が激減

現代舞台芸術を広く発信

新国立劇場様の事業概要をお聞かせください。


岩村:新国立劇場は、日本で唯一の現代舞台芸術を上演する国立の劇場です。
もともと皇居の近くにある国立劇場は、歌舞伎や文楽、落語などの日本の伝統芸能を上演しています。そこで伝統芸能以外の舞台芸術を上演する劇場を作ろうということで、1997 年に新国立劇場が開場しました。
オペラ劇場、中劇場、小劇場の3 つがあり、中でもオペラ劇場はオペラとバレエのためだけに作られた国内唯一の劇場です。テニスコートよりも広い舞台とオーケストラピットが常設されています。
劇場というと単に施設を貸していると思っている方も多いかもしれませんが、上演する公演自体も劇場が企画・制作しており、オペラ、バレエ、現代舞踊、演劇の4 つのジャンルにおいて年間300 公演以上を行っています。
これらの公演を上演するだけでなく人材を育てなければならないということで、研修事業にも力を入れており、オペラやバレエでは国内外の劇場で主役級の活躍を見せる人材を輩出しています。

ハードウェアの更改やトラブル対応が負担に

今回、ネットワーク基盤を刷新した事例についてお伺いしたいのですが、そのきっかけとなった課題についてお聞かせください。


  • ハードウェアの更改やトラブル対応が負担に

    岩村:当時、ハードウェアのリプレース時期に差し掛かっていました。アクセスポイントやスイッチングハブなどネットワーク機器だけでなく、サーバー群やセキュリティ機器も対象です。特にネットワーク機器は更新時期が迫っており、サポート延長が難しい状況だったため、入れ替える必要がありました。こうした5 年に1 度のハードウェア更改については、手間もコストもかかるため、今後の検討が必要だと強く感じていました。ネットワーク基盤のセキュリティ強化も喫緊の課題でした。海外を含む様々な関係者とのコミュニケーションがあり、また使用者のIT や特にセキュリティに対する意識も高いとは言い難い環境で、システム全体のセキュリティ強化の必要性を痛感していました。

藤沢:岩村さんは情報システム部門に配属される前はオペラ制作に携わっていましたし、私は演劇部門の広報や人事部門で仕事をしていました。組織の定期的な人事異動により、IT 領域以外の仕事をしていた人が情報システムの担当になるため、システム全体の運用作業を削減することは大きな課題です。ネットワークを刷新する前はハードウェアのトラブルが頻発しており、担当者が原因の切り分けや障害の復旧を行わなければならず、大きな負担になっていました。また予期せぬことが時間を問わず突発的に発生することがあり精神的負荷もありました。

クラウド移行コンサルテーション実施で、クラウド化に手応え

JBCCを知ったのはどのようなきっかけだったのでしょうか。

岩村:JBCC主催の「超高速開発セミナー」に参加したのが、お付き合いのきっかけです。日常業務の改善も当社の大きな課題だったため、自社でアプリを開発していきたいと考え参加しました。サーバーについてクラウド化することも視野に入れていたので、その点についてもJBCCに相談したところ、クラウド移行コンサルテーションサービスを紹介してもらいました。

クラウド移行コンサルテーションサービスを実施していかがでしたか。

岩村:最初はクラウド相談会という形で困っていることやわからないことをJBCCのエンジニアの方に相談しました。次のステップとして、1 か月ほどかけてJBCCと一緒に現行ネットワーク構成を把握することから始まり、課題の棚卸、クラウド化の検討、アーキテクチャーの最適化まで行いました。
実はクラウド移行コンサルテーションを実施するまでは、現在の環境を全てクラウドに移行するのは難しいと考えていました。「クラウドはランニングコストがかさむ」というイメージがあったからです。しかしクラウドに移行した場合の5 年間のコストをアセスメントしてもらったところ、費用感は思ったよりもリーズナブルでした。「クラウド化を実現できるかもしれない」という手応えを感じ、本格的に検討を始めました。
クラウド移行コンサルテーションを実施したことでクラウド化への道筋が見え、大きな収穫がありました。

セキュリティ強化も含めたクラウド化の提案が高評価

他のベンダーからの提案も検討されたと思うのですが、JBCCの提案で評価したポイントをお聞かせください。

岩村:JBCCの提案でよかった点は、クラウド化全体の仕組みについて、セキュリティ強化も含めてトータルで提案してくれたことです。
ランニングコストの観点で様々な提案をしてくれたことも大きな加点になりました。長期利用割引、Azure ハイブリッド特典※1、Azure Advisor※2 などを活用し、コストを抑えることを提案してくれたベンダーはJBCCの他にありませんでした。
また運用付きクラウドサービス「EcoOne」により、担当者の運用負荷が軽減できるほか、運用開始後もクラウドサービスのリソースを最適化しコスト削減を提案してくれることも評価につながりました。
余談ですが、当時当社では情報収集としてセキュリティのソリューションをインターネットで検索していました。その際にいつもJBCCの名前が上位に表示されるので、「セキュリティ対策についても信頼できる」という印象が強くなりました。

※1 特定の Microsoft 製品のライセンスを持つ場合に Azure 上で Windows 仮想マシンを割引価格で利用できる特典
※2 Microsoft Azure のリソース状況を監視し、最適な活用法を提案してくれるサービス

■JBCCクラウド移行コンサルテーションサービスの全フェーズ

JBCCクラウド移行コンサルテーションサービスの全フェーズ

■ セキュリティ&クラウド運用を支援、継続的なコスト削減を実現

セキュリティ&クラウド運用を支援、継続的なコスト削減を実現

トータルコストを増やすことなくセキュリティ強化を実現

ネットワーク構成としては、導入前とどのように変わったのでしょうか。

岩村:ネットワーク機器については、更新前のサービスレベルを踏襲した構成で切り替えました。同時に、アクティブディレクトリやファイルサーバー、人事給与システムなどのサーバー群とファイアウォール部分については Microsoft Azure 上でクラウド化しました。またマルウェア対策としてCortex を導入してセキュリティを強化しています。

導入してどのような効果がありましたか。

岩村:費用対効果は高いです。今回エンドポイントセキュリティを強化しましたが、機器のスペックの見直しやクラウドサービスのコストコントロールのおかげで、サーバーインフラにかかるコストを35% 削減できたおかげです。削減でき、その分セキュリティ対策に費用を回すことができました 。またファイアウォール部分をクラウド化するのは当初は想定していませんでしたが、管理の省力化という意味で非常にメリットが大きかったです。
利便性の向上も大きな効果となって表れています。新国立劇場では全館を停電させ電気設備の法定点検を年に一度行います。従来は停電の際にはオンプレミスのサーバーももちろん停止するため、完全に業務停止となっていましたが、現在は停電日でも自宅などからインターネット経由でサーバーにアクセスすることが可能です。業務の停滞を最低限に抑えることができています。

藤沢:サーバ関係のトラブルの対応作業も激減しました。過去の対応履歴を見ると、毎月のようにトラブルが発生し、かなりの労力をかけて対応していたのが伺えます。現在はそのようなことはほとんどありません。

セキュリティ強化を進め、安心して公演を継続できる環境に

今後の展望についてお聞かせください。

  • セキュリティ強化を進め、安心して公演を継続できる環境に

    藤沢:技術部門ではMac 端末を使用している人が多いのですが、Windows 端末とMac 端末が混在していると管理に負荷がかかります。そのため Windows 端末に統一していき、管理のしやすさだけでなく、利便性も高めていきたいと考えています。また紙を使用する業務も多く残っているため、業務システムのDX 化も検討しているところです。セキュリティについては今後も継続していっそう強化していきます。エンドポイントの脅威対策について、現状のEPP「防御」の対策から、今後「検知」「対応」ができるようにEDR やXDR の検討をおこない、また脅威を識別するための対策についても対応していく予定です。情報セキュリティを強化することで、劇場スタッフに安心して働いてもらい、来場してくださるお客様に引き続き質の高い公演を楽しんでいただきたい。そのための基盤を作っていきたいと考えています。

情報システムを発展させる上で、JBCCにどのようなことを期待しますか。

藤沢:定期的なジョブローテーションがある組織のため、IT についても専門性を高めることが難しい体制になっています。そのため信頼できるベンダーは不可欠な存在です。今後もJBCCの皆様と密に連携して情報システムを発展させていけるよう、引き続きよろしくお願いします。

ー貴重なお話をありがとうございました。

新国立劇場運営財団 岩村様、藤沢様、JBCC担当者
(左端)JBCC株式会社 第三事業部 竹田 健一郎

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