Garoon、コラボフロー、kintoneの連携を独自に構築
~内製化することで、システムの費用対効果を最大限に引き出す~
生産技術部長 平山 勝久 氏 |
堺アルミ株式会社 様 設 立:2021年8月 事 業 内 容:アルミニウム板製品、アルミニウム箔製品、アルミニウム鋳塊の開発、設計、製造、販売 |
堺アルミ株式会社様は、2021年に昭和電工株式会社のアルミ圧延品事業をスピンオフし、IT部門を持たない状態でシステム構築に取り組んできました。非IT部門の担当者でも運用できるシステムを目指し、Microsoft 365、Garoon、コラボフロー、kintoneを組み合わせてデジタル化・業務効率化を実現。どのような課題を乗り越えてきたのか、穂積 敏 氏、遠藤 茂 氏、平山 勝久 氏、石川 貴志 氏、長谷川 拓也 氏にお話を伺いました。
導入前の課題 |
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非IT 部門の担当者でも簡単に扱えるシステムを模索
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導入後の効果 |
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ペーパーレス化で年間500 時間の作業削減
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目次 |
会社設立によりシステム構築が急務に
― 堺アルミ株式会社様の事業概要、特徴をお聞かせください。
穂積 : 当社は 1933 年に堺の地で創業し、昨年 90 周年を迎えました。創業当時よりアルミニウムの素材から加工までの一貫生産体制を整備しています。当社の一番の強みは独自のアルミニウム精製技術を活かした電解コンデンサ用高純度アルミニウム箔です。高純度アルミニウムを扱う場合、通常であればその原料は専業メーカーから調達するところ、当社は自前の設備で 99.99% 以上の高純度アルミニウム塊を得ることができるため、お客様の要求に柔軟に応えることができます。この特長を生かした品質や供給力が評価され、世界トップクラスのシェアを獲得しています。
― 今回のシステムを構築するきっかけはどのようなことだったのでしょうか。
遠藤 : 当社は2021年8月に昭和電工からアルミ圧延品事業を分離して設立されました。それまでは昭和電工のIT部門がシステムを運用していたのですが、会社を設立したことでIT部門が切り離されてしまい、自分たちでシステムを構築する必要に迫られたのです。それまでポータルサイトやワークフローについてはMicrosoft 365のSharePointを使っていましたが、非IT部門の担当者では運用するのが難しいと感じました。そのためポータルサイトとワークフローについて迅速に構築できる使いやすいツールを探していました。
穂積 : ちょうどその時期に私はJBCCが開催していた「グループウェア徹底比較セミナー」に参加しました。それぞれの製品の担当者がさまざまな観点から向き不向きを解説してくれたので、メリット ・ デメリットが明確になりました。その後JBCCに相談したところ、「グループウェアワークショップ」の提案があり、当社の要件に応じてシステム構成パターンをいくつかご紹介いただきました。
― JBCCの提案を選定されたのはどのような理由からでしょうか。
平山 : 私自身のミッションに「ペーパーレス化」がありました。JBCCと話をする中で、「さまざまなツールを使ったとしても情報は一つに集約したい」「文書をバージョン管理したい」「承認された文書を全社に公開したい」など、さまざまな要望を伝えました。JBCCは当社の要望を真摯に聞いてくれて、非 IT 部門の担当者が安価なコストで構築できるシステムを提案してくれたことが決め手になりました。最終的にシステムの構成としては、Microsoft 365 の Office アプリケーションとOutlook は継続して利用し、新たに Garoon、コラボフロー、kintoneを導入しました。
Garoon、コラボフロー、kintoneをシームレスに連携
― Garoon、コラボフロー、kintoneはどのように使い分けされていますか。
遠藤 : 例えば品質保証部で作成している ISO 関連のマニュアルや標準については、文書作成 ・ 審査 ・ 承認のプロセスが必要です。このようなワークフローについてはコラボフローで管理しています。そして最終的に文書が承認されると kintone に台帳管理への登録と文書ファイルの保存を行い、Garoon で公開するまでの一連のプロセスを連携させています。基本的に掲示板を含めて情報の集約と、簡単な申請承認業務はGaroon、複雑なワークフローはコラボフロー、台帳管理やセールスレポートなど特定のスタッフが管理するものは kintone、という使い分けをしています。
― そのほかにkintoneで作成したアプリはありますか。
穂積 : 例えば特許の維持年金を納付するか否かの協議、決裁を行い、最終的に社長に報告するまでのプロセスを kintone のアプリで作成しています。複数名の知財担当者がそれぞれコメントして権利を維持するか放棄するかを協議し、責任者が決裁すると社長に報告(通知)される簡易的なワークフローをアプリで作りました。今後は製造指図や最終検査など業務に踏み込んだアプリを作っていきたいと考えています。
― 運用開始するまでに苦労された点はありますか。
平山 : 最初はそれぞれのツールの用語と仕組みを理解するのに苦労しました。最初にある程度JBCCに教えてもらい、その後はサンプルやヘルプを頼りに試行錯誤して作っていきました。ただ、1 回作ると仕組みを理解できるため、その後は順調に進めることができました。
遠藤 : 各ツールのヘルプがわかりやすかったですね。ヘルプがわかりにくいツールが多いので助かりました。
穂積 : 最初はJBCCに何回かオンラインで打ち合わせや当社に来ていろいろ教えてもらい、参考にしました。やりたいことを伝えて、どうすれば実現するかについてレクチャーを受けました。
内製化の絶大な効果
― システムを導入してどのような効果がありましたか。
穂積 : やはりペーパーレス化の効果は大きいという実感があります。個人ごとに持っているレターケースには今まで社内の回覧書類が多く入っていましたが、今は全くなくなりました。
遠藤 : 今までマニュアルや標準が改訂されるとそのたびに部署数分の改訂版を印刷して配布し、さらに受領確認も紙で行っていました。現在はマニュアルや標準の情報公開や受領確認を全て Garoon でできるようになったため、作業が大幅に効率化しました。
Garoonは情報を集約できるだけでなく、閲覧者を確認できる点が便利です。重要な情報について見てほしい人が見ていなかった時に注意喚起できるので、重宝しています。
平山 : 生産技術部の場合、他の部署から回ってくる文書をチェックする必要があるのですが、紙での確認だった際は、どこまで回ったかわからなくなってしまったり、遅れが発生することもありました。現在はそのような問題も全くなくなりましたね。また生産技術部では過去の報告書を参照することが多いのですが、今までは原紙を探すのに時間がかかっていました。現在は過去の履歴が検索できるため、瞬時に探し出すことができます。
長谷川 : 総務部でも台帳管理や名簿管理、新規契約など部内で決裁が必要なものについて活用しています。非常に使いやすく、スピーディーに処理できていると思います。
石川 : 私はシステムの管理をしていますが、運用で困ることは特にないですね。現在ユーザー管理のメンテナンスの頻度はそれほど高くはありませんが、管理者としても使いやすいシステムだと思います。
― システム導入の費用対効果についてはどのようにお考えでしょうか。
平山 : 定量的な効果としては、ワークフロー1件につき、平均で5分作業が短縮しています。そのため年間500時間が削減できる見込みです。また自分たちの必要としていることを自分たちで作りこめる環境が作れたことで、費用対効果を最大化できたと思います。やはり外部に委託すると、意思疎通がうまくいかずに時間と費用がかかることが多いです。試行錯誤して苦労しましたが、自由度の高いシステムを構築できました。
情報システムの価値をさらに高める
― 今後、システムをどのように活用していきたいとお考えでしょうか。
穂積 :「コラボフローやkintoneでこういうことができないか」と相談されることが増えました。システムを導入したことで、自発的に業務を改善していこうとする機運が高まっていると感じます。こうした意欲のある人を増やしていくことで、リテラシーの底上げをしていければと考えています。
長谷川 : ワークフローについてさらに効率化できるのではないかという思いはあります。例えば、契約を締結するにしても、現在のプロセスでは決裁、捺印請求、文書保管で 3 回同じルートでワークフローを回しているため、ユーザーの視点でプロセスの簡略化を提案していきたいと考えています。
石川 : 紙の業務が残っている部分があるため、今後もひとつひとつ解決していきたいですね。また基幹系も含めて IT システム全体を見ると、コストを最適化する余地があります。情報システムがより大きな価値を生むようにしていきたいので、今後もJBCCのサポートを期待しています。
本日は貴重なお話をありがとうございました。
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非IT部門がシステム構築に挑む!Garoon を中心としたツール連携で年間 500 時間の作業削減Garoon、コラボフロー、kintoneの連携を独自に構築 |
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