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【公益財団法人 福岡県農業振興推進機構 様】農業の未来に向けて、市町村と一体化した DXを推進 kintone×AI OCRで業務の可視化・効率化を実現

農地貸借の契約業務量が8倍に膨れ上がる危機!
トップがデジタル化の必要性を訴え、DXを牽引

公益財団法人 福岡県農業振興推進機構 様写真右より

公益財団法人 福岡県農業振興推進機構
常務理事 石川 博基 氏
山田 敬章 氏
松野 聡 氏


公益財団法人 福岡県農業振興推進機構 様

所 在 地:福岡県福岡市
設   立:1973年

事 業 内 容:農地中間管理事業、農地売買等事業(特例事業)、就農支援対策事業

URL:https://www.f-ap.org/

人をつなぎ、農地を活かし、強い農業づくりに尽力する福岡県農業振興推進機構様。中心事業となる農地中間管理事業では、農地の出し手・受け手からの申込書について市町村を通して処理しており、その特性からデジタル化がなかなか進みませんでした。そこで市町村と一体化したDXを牽引するため、kintoneを導入。組織を横断した業務の効率化、見える化が実現しました。
これまでの様々な取り組みについて、石川 博基 常務理事、松野 聡 様、山田敬章 様にお話を伺いました。


導入前の課題

法改正により、農地貸借の契約業務が従来比で8 倍に増大


  • 市町村とのやり取りが多く業務に負荷がかかっている
  • 機構内で紙の業務が多く、非効率な作業が発生していた
  • 案件が担当者任せになっており、全体の進捗が把握できなかった
導入後の効果

出先で働く職員や市町村を含めて全体業務の効率化と情報共有を促進


  • 手書き申請書処理の効率化を実現
  • 紙の業務がデータ化されることで、情報共有を強化
  • 案件を可視化し、状況を細かく把握することが可能に

目次

  1. 業務量増加を見据えてDXを推進
  2. やりたいことをJBCCに何でも相談
  3. 身近なアプリから導入することで、少しずつ定着
  4. 市町村も含めたDX推進に尽力
  5. 農業の未来のために、チャレンジを続ける

業務量増加を見据えてDXを推進

― 福岡県農業振興推進機構様の事業内容についてお聞かせください

石川:農業振興推進機構(以下「機構」)は、福岡県と県内の市町村・団体が出資して設立した団体です。県と共に、地域の農業振興を行うという役割があります。
活動の中心は、農地の貸借を行う農地中間管理事業です。農地の出し手と受け手の間に立つだけでなく、複数の出し手の農地をまとめて受け手に貸すといった業務も含まれます。その他にも農地の売買を行う事業や就農を支援する事業も行っています。

― 今回、kintoneを導入した背景について教えてください

石川:従来の農地の貸借は、機構を介さず、出し手と受け手が直接契約するパターンが大半でした。しかし2023年の法改正で従来の貸借手続きが廃止されたため、今後は機構を通して手続きすることになりました。
その背景には、農家の高齢化、担い手不足による農業食糧生産の危機的状況があります。今回の改正は対象農地を担い手に集約化し、対価としての賃料を機構が確実に徴収する仕組みに一本化することで農地活用を促進するという狙いがあります。
2025年から本格的な運用が始まると、機構が取り扱う農地の貸借面積が従来比で8倍に増える見込みです。これまでは案件の進捗が担当者しかわからず、トップが全体の状況を把握できていませんでした。今までの業務の進め方では事務手続きが破綻する懸念がありました。
さらにこの業務処理の大部分を市町村に頼っています。これまで以上に市町村に負担がかかることが予想されるため、市町村も含めて全体の効率化につながる枠組みを作らなければなりません。そこで業務体制を見直し、kintoneを導入して業務効率化を図る取り組みに着手しました。

やりたいことをJBCCに何でも相談

― kintoneを採用したのはどのような理由からでしょうか

松野:2023年の法改正以降、業務体制の見直しを進めていく中で、業務効率化を図るツールとして、kintoneがあることを知りました。自分たちでシステム構築が可能で、市町村など外部組織にも利便性を提供できると考え、採用しました。
サイボウズに行ってセキュリティの相談をしたり、サイボウズから紹介されたJBCCの永冨さんに「こんなことができないか」と相談したりしました。また、永冨さんからの紹介で、「キントーク九州」というJBCC九州支店で定期開催を行っているkintoneのユーザーコミュニティイベントに何度か参加して、情報収集しています。

―「 キントーク九州」に参加してみて、いかがでしたか

松野:サイボウズの社員の方よりアップデート情報を解説いただいたり、プラグインの紹介もあり、直接相談できたりもするので有意義に感じております。
他社企業の活用なども知ることができる機会でもあるので、有益な情報を得られる場だと思います。実際に「ATTAZoo AI OCR パック(以下、AI OCR)」も「キントーク九州」でご紹介いただき、導入しました。

― Cybozu Days でJBCCのkintoneソムリエにプラグイン選定のご相談をいただいたと聞きました

松野:職員がアプリを作成するため、やりたいことを実現するにはプラグインを探す必要がありました。市場には多くのプラグインがあるため、プラグイン選定に時間がかかってしまいそうだなと考えていました。そこで、JBCCkintoneソムリエの宮田さんに当機構の要件を伝え相談をしたところ、やりたいことを実現可能なプラグインをいくつかご紹介いただきました。私はプラグインメーカーが一同に会するCybozu Daysに参加して、宮田さんにブースまでご案内いただきました。実現したいことをプラグインメーカーに直接確認できたため、スムーズにプラグインを選定することができました。

― 石川常務理事はkintoneを導入する際に、どのようなお考えがあったのでしょうか

石川:機構のIT 投資は国の予算、県の予算を使うことになります。このままでは業務が破綻するということを県にしっかり説明し、共に取り組んでいく必要があります。また導入については理事長も私も若い人材に一任し、口は出しませんでした。

身近なアプリから導入することで、少しずつ定着

― kintoneを定着させる上ではどのような苦労がありましたか

松野:kintoneを導入しても使おうとしない人はいるだろうなと予想していました。そこで、まずはスケジュール共有など、誰でも使うアプリを最初にリリースすることになりました。実は少し前までスケジュールはホワイトボードに書いて管理しており、このようなアナログな作業を何とかしなければという思いもありました。

山田:今までは、出勤簿も紙に印鑑を押す方式でした。そこで出勤簿や休暇申請、時間外申請、出張命令や活動記録といった、紙やExcel で管理していたものを少しずつ電子化してkintoneを強制的に使わざるをえないような状態にしました。また、プロフィール写真を活用して、機構内部の利用者には動物のイラストを、市町村にはそれぞれの「ゆるキャラ」を設定し、kintone利用への抵抗感を低減しました。

石川:業務をする人は変化に非常に神経質になります。職員や市町村の理解を得られず失敗すれば大きな損失になりかねません。そのため理事長も私もデジタル化の必要性を伝え続けました。

市町村も含めたDX推進に尽力

福岡県農業振興推進機構 様事例 kintone での業務手順
― 農地の貸借の契約については、どのような手続きを行っていますか


松野:従来は農家の方が提出した手書きの申請書を市町村がExcel に転記し、市町村と各出先の地域推進員、そして機構との間でメールをやり取りしていました。また契約が確定すると機構でオンプレミスの農地管理システムに手作業で登録していました。
今までは、その方法でもなんとかなっていましたが、今後は件数が爆発的に増え、事務負担が大きくなることが予想されました。また、出先の地域推進員と市町村は、オンプレミスの農地管理システムを参照できないという問題がありました。
そこで市町村と機構にkintoneを導入し、kintoneをデータベースとして情報を共有する仕組みを考えました。kintoneでは賃借データの共有や検索だけでなく、手続きに必要な帳票を作成する機能も実装しました。加えて、手書きの申請書をAI OCR で読み取るアプリを作成したため、市町村の転記作業を軽減できる見込みです。

― kintoneを導入して、どのような効果がありましたか

松野:地域推進員は出先から必要な情報を参照できるようになったため、かなり仕事がやりやすくなりました。また市町村からはAI OCR と貸借データで帳票を作成する機能が好評です。今後、件数が大幅に増えるとさらに効果を実感できると思います。

石川:機構の内部においては、案件の進捗状況がリアルタイムで把握できるようになりました。また、これまで連絡事項は口頭やメールが主体で行われていましたが、今では全てkintoneに登録されています。そのためどのようなやり取りがあったのかがすべてオープンになり、情報共有が進みました。

― AI OCR の精度について評価をお聞かせください

松野:若干漢字の読み間違いや郵便番号にハイフンが入る場合・入らない場合の読み込みなど細かい問題はありますが、精度はかなり高いと思います。要望としては現状では「同上」や「〃」といった表現を読み取れないので、今後のプラグインの改良を期待したいところです。二重線を引いて手書きで修正するケースがありますが、これは運用でカバーするしかないかなと考えています。

農業の未来のために、チャレンジを続ける

― 今後の展望についてお聞かせください

山田:実は市町村ではそれぞれで農地台帳というデータベースを持っています。その情報を取り込んだ形で申請書を出力できれば、農家の方は申請時に手書きが減少しますし、誤った情報が書き込まれる心配もありません。
そのため農地台帳の情報から申請書を作成できるExcel を作成しておりますし、今後はkintoneを利用して手続き書類を出力することを検討しています。デジタル化により作業軽減を図りつつ、こうした問題をひとつひとつ解決していく必要がありますが、着実に効果を出していきたいと考えています。

石川:農地の貸借契約については、60市町村のうち、約40市町村にkintoneの導入が決まっています。来年度以降は、ほぼ全市町村に導入できるように働きかけていきたいと考えています。現在kintone未導入の市町村は情報部門の審査があるため、導入へのハードルは高いです。しかし足並みが揃えば劇的に業務が改善するため、必ず成功させたいと考えています。

今回の取り組みでオンプレミスの農地管理システムの一部をkintoneに置き換えました。今後は農地管理システムを全てkintoneへ移行することを考えています。大きなチャレンジではありますが、関係組織と協調して非効率な業務を改善できるよう、強い決意で進めていきたいと思います。

JBCC担当のコメント

kintoneコミュニティ「キントーク九州」は、kintone情報提供やお客様同士の課題解決の意見交換などを楽しく行っております。
今回のコミュニティを通じて、お客様農地中間管理事業の効率化実現に貢献出来たこと嬉しく思います。
今後もデータの連携や多くの情報提供で、お客様の業務の課題解決のご支援を行って参ります。
お気軽にJBCCへご相談頂ければと存じます。

西日本事業部 ソリューション開発本部 永冨 智之


本日は貴重なお話をありがとうございました。

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