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2026年04月10日

2026年04月10日

AIでCOBOLを読み解く時代へ:レガシー改革の最前線!現場プロジェクトで検証したAI活用の成果と学び

AIでCOBOLを読み解く時代へ:レガシー改革の最前線!現場プロジェクトで検証したAI活用の成果と学び

多くの企業には、「長く動き続けているが、今どうなっているのか誰も説明できない」システムが存在します。止めることはできない。しかし、変更しようとすると、どこに影響が出るか分からず、一歩を踏み出しづらい──。こうした“見えない壁”が、DXの足かせになっているケースは少なくありません。
本記事では、こうした壁の中心にあるCOBOLで作られた基幹システムをAIで可視化する取り組みをご紹介します。

この記事の目次

現場が直面している課題 背景

COBOLとは、企業の基幹業務を長年支えてきた歴史あるプログラミング言語で、今も広く使われています。

しかし、追加・改修が繰り返された結果、ブラックボックス化が進むケースが増えています。
設計書が古い、そもそも設計書が存在しない、担当者の異動や退職、改修履歴の乱立などが重なり、「誰も全体を説明できない」状態が発生します。
すると、変更前の調査だけで膨大な工数がかかってしまいます。

さらに、COBOL技術者の減少も深刻な課題で、「調査できる人がいない」現場が増えています。
こうした問題が、DX推進の大きな障壁となっています。

そこで、システム理解の負荷を減らすため「AIによるCOBOL解析」に取り組み始めました。

専用LLMを使ったCOBOL解析への挑戦 活動①

まず、COBOL解析向けに調整した専用LLMを使い、COBOLのソースコードからMarkdown形式の仕様書を生成するPoCを実施しました。

当時(2025年4月時点)に利用できた汎用LLMでは、COBOL特有の構造や命名規則を十分に理解できず、仕様書生成の精度が実務レベルに達しなかったため、専用LLMには、ファインチューニング可能なLLMを採用しました。COBOLのソースコードや用語集を学習データとして用い、処理のクセや案件特有の命名規則を理解させるように調整しました。
現場のフィードバックを何度も反映しながら、精度・網羅性・ソースとの対応関係を高めた結果、対象システム特有の構造や呼び出し関係、項目の意味などを理解した解析が可能になりました。

専用LLMを使ったCOBOL解析のイメージ図

本当に必要な“解析品質”とは何か 活動①から得た学びと次のアクション

AIが自然な文章を出力するだけでは、現場の役には立ちません。
重要なのは、以下の2点です。

・抜け漏れの少ない網羅性
・仕様の根拠となるソースコードとの対応関係

仕様書から、対応するプログラムや段落へすぐに遡れるようにしたことで、レビューや改修の精度が劇的に向上しました。

一方で、専用LLMには、学習環境の準備や学習作業に時間がかかり、現場の「すぐ使いたい」というニーズに応えにくい課題がありました。
つまり、品質は高いが、運用が重いという状況です。

そこで、急速に進化を続ける汎用LLMの検証に着手しました。APIで利用できるため環境構築が早く、近年の性能向上により専用LLMに迫る品質も期待できたためです。
また、生成AIをCOBOL解析に活用する動き(例:Anthropicの取り組み)も追い風となりました。

参考URL: https://claude.com/blog/how-ai-helps-break-cost-barrier-cobol-modernization

汎用LLMによるCOBOL解析の精度検証 活動②

専用LLMで作成した仕様書を“正解データ”とし、汎用LLMの精度検証を行いました。
汎用LLMの検証には、Claude Code + Claude Opus 4.5(Anthropic商用API)を使用しています。

プロンプト依存を避けるため、LLM専用ツールであるClaude Codeを利用し、「調査・計画 → 作成 → 自己評価 → 修正」という手順を踏ませ、品質を高める工夫を行いました。

その結果、高い性能を確認でき、実務投入を見据えられるレベルであることがわかりました。(2026年2月時点)

・ロジック仕様の網羅率(※1):約90%
・ファイル定義の網羅率(※2):約99%

残り約10%は、初期化や例外処理など、暗黙的な仕様が多い箇所で説明が不足していましたが、プロンプトに詳細な指示を追加することで改善が見込めます。

※1:LLMに仕様を一覧化させ、その上で汎用LLMが生成した設計書がどの程度仕様を網羅しているか
※2:プログラムで使用しているデータ定義や各項目がどの程度一致しているか

汎用LLMによるCOBOL解析の精度検証のイメージ図

※本検証では、Claude CodeをAnthropicの商用API経由で利用しており、送信したコードやプロンプトはデフォルトでモデル学習には使用されません。

精度とスピードがようやく両立し始めた 活動②から得た学び

汎用LLMは、解析精度とスピードの両面で、現場が求める水準を満たす可能性が高まってきました。

特に、周辺ツールの進化が大きく、

・調査・計画 → 実行 → 自己評価 → 修正まで自動で回せる:ムダが減り、初動が正確になる
・関連ファイルまで自動で探索できる:抜けや勘違いが減る
・ファイル操作が可能で推測が減る:根拠を見て記述できる

といった点で、精度と初動スピードが向上しました。

この結果、活動②では、最初の学習時間を短縮しつつ、一定の品質が担保されるまでになりました。

AIモデル=頭脳、周辺ツール=手足として機能し、考える・探す・確かめる・直すといった一連の作業をまとめて実行できるようになり、効率が一段と高まりました。

AIで進化するJBアジャイルの取り組みと今後の展望 今後の展望

JBCCの強みであるJBアジャイルは、「素早く作り、素早く改善する」スタイルが特長です。
ここにAIによる現行解析が加わることで、初期調査の負荷が大きく減ります。

AIがコードを解析してシステムの構造や処理の流れを整理してくれるため、判断のスピード向上、属人化の解消、DX推進の加速といった価値を、お客様により確実に提供できるようになります。

JBCCは現場で培った経験を基に、「現場で本当に使える解析」を追求してきました。
今後は、汎用LLMを活用したコード解析を、実際の現場へ本格的に展開していく予定です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

執筆者

JBCC株式会社 SI事業 技術戦略本部 牧内 信吾

牧内 信吾

JBCC株式会社 SI事業 技術戦略本部

小売・学習塾業界の基幹システム構築をはじめ、多様な役割で複数プロジェクトに参画。
現在は、SEの技術課題解決を支援するAIチャットボットをはじめ、生成AIを活用したSI事業の業務効率化に取り組む。

JBCC株式会社 SI事業 技術戦略本部 蔡 万騰

蔡 万騰

JBCC株式会社 SI事業 技術戦略本部

全国のお客様に向けて、GeneXusベースの超高速開発の実装を担当。
AIエンジニアとして、AI開発スキル向上に日々取り組む毎日。

JBCC株式会社 SI事業 技術戦略本部 川崎 梢

川崎 梢

JBCC株式会社 SI事業 技術戦略本部

2020年新卒入社。アプリケーションエンジニアとしてキャリアをスタート。
建設業界や教育業界などの業務システム開発に従事し、超高速開発案件にも携わる。
プログラマーとしての開発経験を積みながら、設計など上流工程にも関わり、より高い付加価値を提供できるエンジニアとして活動中。

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