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横浜冷凍株式会社 様

あきらめかけていたユニシス製汎用機からのコンバージョンに成功! IBM Power 導入で「守りのIT」中心から「攻めのIT」へのシフトが実現!

あきらめかけていたユニシス製汎用機からのコンバージョンに成功! IBM Power 導入で「守りのIT」中心から「攻めのIT」へのシフトが実現!

横浜冷凍株式会社様は、長年使用してきたユニシス製汎用機から IBM Power へのコンバージョンに成功し、IT投資の約80%を占めていた「守りのIT」から「攻めのIT」への転換を実現しました。
JBCCの支援により3年かけて進められた大規模な基幹システムの移行プロジェクトの全貌を紹介し、コスト削減、処理速度の向上、BCP対策の強化、他システムとの柔軟な連携など、IT改革による多くの成果と今後の展望を詳しく解説しています。

会社名 横浜冷凍株式会社 様
設立 1948年
事業内容 冷蔵倉庫業並びに普通倉庫業
水産品の加工、販売並びに輸出入
農畜産物の加工、販売並びに輸出入
通関業
養殖業
製氷業
貨物利用運送事業並びに貨物自動車運送事業
不動産賃貸業
食堂及び喫茶店の経営並びに飲食物の販売
その他前各号に付帯関連する一切の事業
URL https://www.yokorei.co.jp/
この記事の目次

導入前の課題と導入後の効果

守りのIT投資が約半分に削減、攻めのITへの投資に!
自動化、省力化、データ活用の取り組みが加速

導入前の課題
  • 基幹システムの維持に関わる費用がIT投資の約8割を占めていた
  • 機能を追加するとコストが加算されるため、攻めのITへの投資を圧迫
  • サブ機、災対機のデータがリアルタイムに同期されていなかった
導入後の効果
  • 導入コスト、ランニングコストを含めた基幹システムのIT投資を約50%削減
  • レスポンスが1/5へ(汎用機のレスポンスでも十分だったがそれ以上の速さに!)
  • 攻めのITへのシフトにより、作業の自動化、省力化、データ活用が進展
  • データのリアルタイム同期によりBCP環境の完成度が高まる

検討の経緯

増え続ける守りのITのコスト、基幹システムのコスト削減が必至

横浜冷凍株式会社は、1948年に設立された。
食料難にあえぐ戦後の日本人の貴重なたんぱく源となる魚類やエビなどの水産物を、水揚げされた横浜から全国の卸売事業者に販売する事業としてスタートした。
また、新鮮な水産物を保管するために必須となる冷蔵倉庫の事業も、ほぼ同時に始まった。
倉庫での作業を基本的に正社員が担うことで、顧客から高い信頼を得るとともに、冷蔵倉庫としてのノウハウを蓄積してきた。

現在は、農・畜・水産物や冷凍食品などを冷凍保管する冷蔵倉庫事業と、生産地・生産者の選定から仕入れ販売までを行う食品販売事業を二大事業として、全国に約80拠点を構え「食の安定供給」を掲げて様々な領域で事業を展開している。

同社は、長い歴史の中で社内のITシステムを進展させてきた。
給与計算を電算化したことからスタートし、業務処理のオンライン化、データの活用と取り組みを進めてきた。
現在は「人とITの共生が可能なシステム」を目指し、様々な取り組みを行っている。

その中で足かせとなったのが、日々の業務処理を支える汎用機の存在だ。
同社のIT投資の中で汎用機の維持費用、つまり「守りのIT」は約80%を占めていた。
加えて、汎用機をプリペイド式の従量課金制で契約していたため、他のシステムとデータ連携するだけでも汎用機の料金が上がってしまう。
つまり新たな取り組みである「攻めのIT」を進めれば進めるほど、汎用機のコストがかさみ、結果として積極的に攻めのITができないというジレンマを抱えていた。
このままでは技術進化が停滞し、若手人材が流出する負のスパイラルに陥ってしまう。
汎用機のモダナイズは喫緊の課題だった。

ヨコレイITの推移

導入のポイント

一度はあきらめた基幹システムのモダナイズ、JBCCとの出会いでコンバージョンを決意

コンバージョンを検討するきっかけは、神山氏が当時の上司から IBM Power の存在を聞いたことに始まる。
「それまでは既存システムを使い続けていくことしか考えていませんでしたが、他の選択肢もあると知りました」と神山氏は当時を振り返る。

コンバージョンの検討が始まったのは、今回の IBM Power 導入から遡ること10年程前のことになる。
しかし、最初の検討は頓挫してしまった。
既存のユニシス製汎用機は独自の構文を使用しており、コンバージョンの難易度が高くなるのがその理由だ。

「IBM Power を含めて複数の候補を検討しましたが、実現の道筋が見出せず、結局5年前のリプレースはユニシス製の後継機を選択しました」(神山氏)。

このままでは従来の課題は解決されず、ITを進展させることができない。
そこで次のリプレース時期を見据えてさらに情報収集に力を入れた。
その中でシステム管理部のメンバーがJBCCのセミナーに参加したことが、コンバージョンへの突破口となった。

セミナーではJBCCにはユニシス(注:現在のBIPROGY社)製汎用機の実績があり、ノウハウを持っていることがわかった。
コンバージョンが難しい部分も回避方法を知っているということが心強い材料となった。
「様々なセミナーに参加しましたが、コンバージョンできるかもしれないというポジティブな感触を持ったのは、JBCCのセミナーだけでした」と神山氏は語る。

その後行われたJBCCによる「びっくりデモ」が、コンバージョンの意思決定を後押しした。
処理時間のベンチマーク比較を行うこのデモで、ユニシス製汎用機で何十分とかかる処理がIBM Power は数分で終了したのだ。
「この時点でIBM Power かユニシス製汎用機の後継機かの二者択一でした」と語る神山氏が最終的に IBM Power を選択した理由の1つが、コスト削減だ。
同社の試算によれば、導入費用、ランニングコストも含めて、IBM Power の費用はユニシス製汎用機の半分程度となった。
さらにリプレースの頻度が5年に1回から7~10年に1回となるため、投資のタイミングを少なくすることができる。

もう一つの理由が処理性能だ。

  • 神山氏 写真
    神山氏

    もともとユニシス製汎用機の処理性能と堅牢性を高く評価していました。しかしびっくりデモとセミナーの内容から、IBM Power がユニシス製汎用機を上回る処理性能を持ち、堅牢性を維持できることがわかり、IBM Power の採用を決めました。

導入の成功要因

テストの遅延を乗り越え、大きなトラブルなく安定稼働を実現

こうして IBM Power への移行が本格的に開始された。
従来のユニシス製汎用機は、本番機、障害時に切り替えるサブ機、有事に備え遠隔地に設置してある災対機、そして開発機の4機で構成されていた。
障害が発生した場合にスムーズに切り替えができ、業務継続ができることが要件であることから IBM Power も同様の構成とした。

コンバージョンの期間はJBCCと相談し、約3年間に設定した。
1万本を超えるプログラムで構成された巨大システムであること、そしてユニシス製汎用機ならではの問題が発生することが想定されたためだ。
3つのフェーズに分け、第1フェーズでは標準的なプログラム数本を使って基本的な動作検証、第2フェーズでは全体の約5%を変換し自動変換ツールの総合検証、第3フェーズで残りの95%についてコンバージョンを実行した。

ユニシス製汎用機の独自構文の影響でエラーが発生するということは想定していたが、エラーの解消には予想外に難航した。
第3フェーズでは品質目標を達成することができず、1年の予定を半年延期しなければならなかった。

そのような状況の中で力を発揮したのがJBCCの豊富な経験に基づくサポートだ。
ユニシス独自のツールについてマニュアルを読み込んで挙動の原因を特定し、どのような観点でテストしたらよいかをアドバイスして同社を支えた。
JBCCと二人三脚で影響範囲をひとつひとつ調査し、エラーが出ないようにロジックを組み込むことでエラーを解消して運用開始にこぎ着けた。

こうして無事にシステムを切り替えることができた。
運用開始時に業務が停止するような大きな問題は発生することなく、現在まで安定して稼働している。

導入の効果

攻めのITへのシフトにより、自動化、省力化、データ活用が進展

運用開始から1年、神山氏はコスト面の効果を高く評価する。
移行時はコンバージョン費用が上乗せされるため、後継汎用機にリプレースする場合と同程度のコストとなったが、次回リプレース時には半分以下のコストとなる見込みだ。
合わせて年間の運用コストも約50%削減できている。
こうして守りのITコストを削減したことで、マテハン連携やRPAの導入により実務の自動化に取り組むほか、電子配信の仕組みを構築して請求書をペーパーレスにするなど、積極的な攻めのIT投資が実現した。

ヨコレイITの投資構造

もう一つの大きな効果として、神山氏は他システムとの連携が柔軟になったことを挙げる。
ユニシス製汎用機は、連携した他システムからデータを直接見ることができないため、CSV出力して転送するという手順が必要になる。
しかも従量課金制のため、データを連携するごとにコストが加算されていた。
IBM Power の場合はデータを直接参照することも可能なため、現在では既存のDWHをBIツールに統合し、BIツールから直接 IBM Powerのデータを参照する仕組みを構築している。

BCPの環境も改善された。
ユニシス製汎用機はデータの同期回数を増やすと従量課金制の弊害でその分コストがかさんでしまうため、同期の頻度を1時間に1回に制限していた。
現在はリアルタイムに同期されているため、障害発生時においてもスムーズに切り替えができるようになり、BCP対策として完成度が高まった。

処理能力も大幅に向上した。
処理速度が従来の5分の1程度まで短縮されたことで、1時間かかっていた夜間処理が十数分で終わるようになった。

難易度の高いコンバージョンを乗り越えたことにより、攻めのITが強化され、様々な課題が解決した。
「JBCCとの出会いがなければ、コンバージョンをあきらめ、現在も課題解決できないままユニシス製汎用機を使い続けていたと思います」と神山氏は語る。

今後の展望

IBM Power のポテンシャルを引き出し攻めのITを進化させていきたい

同社にとって攻めのITの取り組みについては、まだ始まったばかりだ。
守りのIT投資を削減できた今、IBM Power をより活用していく必要性を神山氏は感じている。
ストレートコンバージョンを選択したため、プログラムに非効率なロジックが残っている。
他システムとの連携についても既存方法を踏襲したが、より良い方法があるかもしれない。

「今後は IBM Power のポテンシャルを十分に引き出すために IBM Power への理解を深めていきたいと考えています」(神山氏)。

そのため IBM Power に知見があるJBCCへの期待は高い。

  • 神山氏 写真
    神山氏

    今後も新しい取り組みを行っていきたいのですが、社内だけで検討しても最適解にたどり着かないことがあります。JBCCに相談に乗ってもらい、当社が目指すITシステムの姿を実現するためのサポートを期待しています。

これからも新たな取り組みのスピーディーな展開、そして人とメカとが共存するITシステムの完成形を目指し、挑戦は続く。

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