Notes からの脱却で、短期間でリモートワークに対応。業務にきめ細かく対応したアプリで作業を効率化

日本石油輸送株式会社様は、情報システムのオールクラウド化構想の 第一歩として、kintone を全社に導入しました。
コロナ禍で一斉にリモー トワークとなる中での導入を成功させ、現在では業務を改善する多彩な アプリを次々と開発しています。
長らく情報システムの抜本的な見直しが できなかった時代を経て、オールクラウド化に向けて改革に取り組む情報 システム部の小和田英恵様、青野浩典様にお話を伺いました。
会社名 | 日本石油輸送株式会社 様 |
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設立 | 1946 年3 月 |
所在地 | 東京都品川区 |
事業内容 | ・石油製品(ガソリン・灯油等)の鉄道タンク車輸送・貨物自動車輸送 ・高圧ガス(LNG 等)の鉄道コンテナ輸送・貨物自動車輸送および複合一貫輸送 ・石油化学製品等の鉄道コンテナ輸送・貨物自動車輸送ならびに国内および国際複合一貫輸送・各種コンテナのリース ・鉄道用冷蔵・冷凍コンテナ等のレンタル・リース ・不動産賃貸 ・太陽光発電 |
URL | https://www.jot.co.jp/ |
- オールクラウド化の第一歩としてkintone を選択
- 基幹システムで取り込めなかった周辺業務を効率化
- ユーザー自身がアプリを開発して業務を改善
場所を選ばない働き方の実現に向けて、情報システムのオールクラウド化を決断
日本石油輸送株式会社様の事業内容についてお聞かせください。
小和田氏:当社は国産原油を鉄道貨車で輸送する事業から始まりました。鉄道による危険品輸送のノウハウから発展し、現在は石油のほかにLNG(液化天然ガス)、化成品、そして温度管理をする生鮮食料品や一般貨物など幅広い物資の物流を手掛けています。当社は鉄道輸送の事業を、グループ会社は自動車輸送の事業を展開しています。生活に欠かすことのできない物資を安全に最良の状態で輸送することを、グループ全体で追求しています。
情報システム部では、現在どのようなことに取り組まれているのでしょうか。
小和田氏:当社は1969 年1 月に他社に先駆けて電算室を創設し、情報システムを導入しました。当時は先進的な取り組みとして多方面で取り上げられ、多くの大手企業が視察に訪れたと聞いています。しかし、今世紀に入ってからは情報システムの見直しは小規模な改善にとどまり、変化していく事業環境や情報技術の進展に対応が難しくなってきていました。多様化するニーズに応えていくためにも思い切った改革が必要だと考え、情報システム全体を抜本的に見直すことになりました。
場所を選ばず働く環境を構築するには、社内ネットワークを経由せずに業務ができるクラウド化が不可欠です。そこで情報システムのオールクラウド化構想を策定しました。その一歩としてまず着手したのがグループウェアです。
開発自由度の高いkintone を脱Notes の柱に
グループウェアにはどのような課題があったのでしょうか。
小和田氏:当社は25 年前からNotes をグループウェアだけではなくて業務管理ツールとしても活用していました。しかし業務に合わせて変更する柔軟性がNotes には欠けており、単に文書を置くだけの箱としての使い方しかできていませんでした。また社内ネットワークに入らないとグループウェアを使えない、モバイル端末でアクセスできない、といったことで利便性が低下しているという問題もありました。
脱Notesの候補としてどんな製品を検討したのでしょうか。
小和田氏:まず移行にあたりJBCCに相談しました。JBCCには社内インフラの構築・運用でお世話になっており、長いお付き合いがあります。JBCCから提案を受けたのが、kintone とGaroon またはMicrosoft 365 を組み合わせた構成でした。またファイルサーバーをクラウド化するためのソリューションとしてオンラインストレージも提案していただきました。JBCCから紹介されたセミナーへも参加し検討した結果、業務に合わせて柔軟にアプリを変更したいと考えていたので、開発の自由度が高いkintone とメールサービス、オンラインストレージサービスを組み合わせて採用することになりました。Notes からはメールとデータベースの移行をする必要があったため、メールを先行して移行し、その後データベースをkintone に移行しました。
青野氏:開発効率の面から kintone と Garoon の組み合わせがベストでしたが、社内検討及び事前検証を重ねた結果、Garoon で提供されている標準機能を kintone で実現することが可能と分かり、 kintone のみ採用することとなりました。
非常事態下で、急ピッチの導入作業
導入に際し、社内の理解は得られたのでしょうか。
小和田氏:当社は2018 年ごろからkintone の検証を始め、カスタマイズに必要となるJavaScript の言語についても研究していました。検証の結果、kintone にNotes のデータを移行できる目途も立ちました。ところが全社導入となると、なかなか稟議が通りません。何度も先延ばしされていて、歯がゆい思いをしていました。それでも粘り強く働きかけた結果、上長が後押ししてくれたこともあり、ようやく導入が決定しました。
導入で苦労したことはありますか。
小和田氏:当初は2020 年下半期に導入する予定でした。しかし1 回目の緊急事態宣言が発令された際に、外部からの社内ネットワークにVPN 接続する際に通信速度が遅いためVPN を接続せずに使える環境が必要になりました。そこで前倒しでkintone を導入することになりました。よく使う機能から急ピッチで開発し、2020 年上期から段階的にkintone に切り替えていきました。
このような状況だったため、トレーニングについても初めてWeb で開催しました。開催する側も受講する側もWeb でのトレーニングに慣れていない中で十分なサポートもできませんでしたが、kintone を使わざるを得ない状況だったので自然と定着していきました。
情報システムを活用して業務を改善する意識が向上
kintoneを導入してどのような効果がありましたか。
小和田氏:場所や端末に関係なく利用できると概ね好評です。またコロナ禍でペーパーレス化が進んだことで、各部署から「自分たちでアプリを作りたい」という声が上がるようになりました。ユーザー自身がアプリを作って業務を効率化しようという意識が生まれたことは経営層からも評価されています。
青野氏:最初は勝手に使わせてよいか不安もありましたが、アプリを開発する人は限られているため、現在は自由に使ってもらっています。今では情報システム部よりもkintone に詳しい人もいるほどです。ただ、積極的に活用している社員はごく一部にすぎません。提供されるアプリを受け身で使うのではなく、「蓄積した情報を活用しよう」「情報システムで業務を効率化しよう」という意識を持つ社員を増やすことが今後の課題です。

今まで開発してきたアプリで特徴的なものをご紹介ください。
青野氏:オーダー管理・実績管理のアプリでは、krewSheet(クルーシート)のプラグインを使っています。Excel と同様に操作できるので、ユーザーにとっても使いやすいようです。さらにRepotoneU(レポトンU)のプラグインでkintone で管理する項目の値をひな形のファイルに自動で埋め込んで出力しています。また、保冷コンテナの庫内温度をシミュレーションするアプリでは、輸送条件を入力すると、独自アルゴリズムで温度推移をシミュレーションし、グラフ表示するように独自にカスタマイズしています。


基幹システムとkintone の連携を視野に
kintoneで今後取り組んでいきたいことはありますか。
青野氏:基幹システムで取り込めなかった周辺業務を迅速に効率化できるのがkintone のメリットなので、課題を丁寧に拾って解決していきたいですね。将来的には、基幹システムと連携して営業情報のダッシュボードを作りたいと考えています。
情報システムを変革する過渡期にあると思いますが、今後の展望をお聞かせください。
小和田氏:現在はファイルサーバーをオンラインストレージに、基幹システムをAWSに移行しています。まもなく社内のオンプレミスのサーバーがすべてなくなり、その後は社内ネットワークの在り方を変えていくことも計画しています。いつもJBCCにはマルチベンダーとしてシステム全体の最適化とコストを考慮した提案をいただいています。今後もオールクラウド化の完結に向けて支援をよろしくお願いします。

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Notes からの脱却で、短期間でリモートワークに対応。業務にきめ細かく対応したアプリで作業を効率化
場所を選ばない働き方の実現に向けてkintone とオンラインストレージを採用
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