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【株式会社学研エデュケーショナル 様】JBアジャイルとSaaSを組み合わせ、基幹システムを再構築

基幹システムを再構築し、サイロ化・ブラックボックス化からの脱却へ
JBアジャイルとSaaSを組み合わせ、組織を越えたデータ活用基盤へ

【株式会社学研エデュケーショナル 様】JBアジャイルとSaaSを組み合わせ、基幹システムを再構築
(左から)営業管理部 中嶋 優美 氏、 丸谷 昂明 氏、 石原 光一 氏

株式会社学研エデュケーショナル 様

設立:2009年10月1日

所在地:東京都品川区西五反田2 丁目11-8
URL:https://gakken-educational.co.jp/company/

株式会社学研エデュケーショナルは、主力事業の学研教室などを通じて総合的な教育サービスを提供。アジア圏を中心に海外にも展開し、学研グループの一翼を担う。


教室事業を通じて学習サービスを提供する学研エデュケーショナル様は、教育業界のリーディングカンパニーとして学びの可能性を引き出す教材や指導、ソリューションの開発に取り組んでいる。これまで個別最適化していた各システムを統合し、新たに構築した基幹システムについて、学研エデュケーショナル 営業管理部の丸谷昂明氏、石原光一氏、中嶋優美氏に話を伺った。


導入前の課題
  • 業務ごとにバラバラに開発された70システム
  • システムデータが連携できず二重入力等が多く発生し、全社的に事務処理の業務負荷が増大
  • 業務をシステムの仕様に合わせるといった本末転倒な業務の進め方が横行
導入後の効果
  • JBCC SE による業務フロー全体の洗い出しにより、システム全体の統合が可能に
  • JBアジャイルで開発した基幹システムを核に、kintone などのSaaS とデータ連携を実現
  • 業務のあるべき姿をシステムに反映し、お客様ニーズに応じた最適な施策を実施可能に

目次

  1. 学研エデュケーショナルのビジョンと事業内容
  2. システムの細分化・ブラックボックス化が課題
  3. 業務効率化とデータ活用基盤の構築を同時に実現
  4. データプラットフォームを活用しDXを推進

学研エデュケーショナルのビジョンと事業内容

学研ホールディングスの一員である学研エデュケーショナルは、教育業界で挑戦を続けている企業。中核となる教室事業のほか、オンライン学習サービスの開発、STEAM教育を含めたコンテンツ開発まで、国内外における同社の事業は多岐にわたる。学研エデュケーショナルの経営方針は、「あらゆる子どもの"学びたい"をカタチに表す」。地域や環境に拘らず、全ての子どもたちに質の高い教育を受ける機会を提供することで、自分の可能性を最大限に引き出せる社会の実現を目指している。

「全国展開でフランチャイズ方式の学研教室を運営し、教室数は約1万6000教室、会員数は40万人を超えています。さらに、保育園等で行う幼児教室や海外の教室、オンライン事業なども拡大し、多岐にわたるサービスを展開しています」と語るのは営業管理部の丸谷昂明氏だ。

教室数や会員数が多い教室事業を運営する要は、管理の効率化である。学研エデュケーショナルはいち早くデジタル技術を取り入れ、管理業務の効率化に努めてきた。しかし、そこに課題が生じていたという。

システムの細分化・ブラックボックス化が課題

中嶋優美氏は、当時の状況を「総務部門、営業部門、経理部門など、業務部門ごとにシステムを導入し最適化し続けていたため個別の業務には適切でも、全社横断的な処理が難しい状態となるシステムが乱立してしまいました。新規事業が増える度に別のシステムを作るというサイクルが生まれてシステムが細分化されたために無駄ばかり増え、その結果、新しい施策を実施したくてもシステムで対応できないケースが生じる事態になっていました」と説明する。

長期間にわたりシステムを個別最適化した結果、70ものシステムが稼働し、それぞれがサイロ化・ブラックボックス化するという状況だった。新しい施策を追加しようとしても、システムが足かせとなりお客様に提供する学習コースの追加もままならない。システムに業務を合わせなければいけないという状況がうまれていた。

「当社はこれまでシステムごとに異なるベンダーに依頼し、システムを構築してきました。その結果が、70を越えるシステムのブラックボックス化に繋がっています。今回のプロジェクトではそれらのシステムを統合し、必要な業務・機能を包含する基幹システムを新たに構築すると同時に、業務プロセスも変革できるシステムを構築することにしました」(丸谷氏)

同社のシステムは、30年前に構築した顧客管理システムをベースとし、必要に応じて機能や周辺システムを拡張し続けていた。かなり複雑な構成だったが、属人化により網羅的なドキュメントが作成されていないケースも多かったため、該当業務の関係者にヒヤリングしながら現行の業務フローや機能を整理しなければならなかった。ブラックボックス化が進んでいた業務フローの把握やシステムの挙動などをひとつずつ紐解く作業からスタートする必要があったのだ。

そこでRFP(提案依頼書)を作成してシステム開発会社に提案を依頼した。

「ブラックボックス化を解きほぐすために膨大なリソースが必要でした。そのため、要件定義からシステム移行まで長期間お付き合いのできるベンダーでなければ対応が難しいと考えていました。また、ベストプラクティスかつ小回りの利くシステムを構築したいと考えRFPを実施しました」(石原光一氏)

そうして選定されたのがJBCCだった。

「JBCCは、システム環境や、解決したい課題に合わせたソリューションを提案してくれるワークショップなどのサービスが充実しており、我々目線でプロジェクトに臨んでくれると感じました。また、大型イベントなども数多く開催されていたので、技術や業界知識に精通していることがわかり今回のプロジェクトを依頼するための障壁はありませんでした。今回のプロジェクトでは、全国に営業拠点を持つが故の、地域毎に異なる運用なども含めた解きほぐしが大きな課題でしたが、JBCCに相談を重ねるうちに担当者へのヒヤリングなども含めてしっかりと対応していただけそうだと感じ、依頼することにしました」(石原氏)

JBCCは、塾業界を含む多くの企業のプロジェクトを成功に導いてきた実績を持つ。そこで経験や蓄積したノウハウ、コミュニケーション力なども考慮され、プロジェクトを担うベンダーとして選定された。

業務効率化とデータ活用基盤の構築を同時に実現

「JBCCは、まるで当社従業員のように、一緒にプロジェクトを推進してくださいました。ちょうどコロナ禍で対面での対応ができなくなった時期でしたが、Web会議ツールやクラウドツールを使うことで、対面と遜色のないコミュニケーションがはかれました」と中嶋氏。丸谷氏は次のように続けた。

「業務の標準化や二重入力の削減をしていくためには、要件を定義して作って終わりではなく、頻繁にアップデートしていく必要がありました。JBCCのプロジェクトの進め方や体制がプロジェクトを成功に導くポイントになったのは間違いありません」。

JBCCは、部門のリーダーに加え、実際に事務処理業務をしている担当者からヒヤリングを実施。既存システムの業務プロセスや計算ロジックを紐解いていった。

そうして業務プロセスや計算ロジックが明確になったら、いよいよ新システムの開発がスタートする。その開発手法にはアジャイルが採用された。短い期間で繰り返し、段階的にシステムを構築することで、短期間で開発していったのだ。

「現場担当者の意見なども反映しながら開発を進め、システムを構築しました。またkintoneやコラボフロー、Smart BIなどクラウドツールも活用し、現場の状況の変化に柔軟に対応できるようにしています」(石原氏)

申請にコラボフローを使えば、紙の申請書から脱却できるだけではなく、申請から承認までの時間も大幅に短縮できる。さらにシステムを統合したことで、データの二重入力を省き、業務を効率化することができた。例えば新規登録の申請をした教室情報は、承認後、即座に基幹システムにも登録され、学研教室の検索サイトにデータを反映できるようになった。

「これまでは、基幹システムと検索サイトに情報を登録するシステムが別システムだったため、検索サイトに新規教室を登録する際、すでに基幹システムに登録されているデータが使えず、わざわざ二重入力していました。教室情報を更新する際も、どちらか1つのシステムしか更新していなかったり、転記ミスがあったりと、同じ教室でも情報が異なるケースがありました。これはほんの一例ですが、様々な業務で行ってきた二重入力を省く工夫だけでも、かなり効率化できました」(丸谷氏)

基幹システムのデータについてはkintoneやSmart BIから参照できるようにした。「これまではマスターとなるデータを基幹システムからダウンロードし、各個人がExcelを使って作業していましたが、kintoneに集約することで最新のデータを扱えるようになりました。Smart BIを使って分析できるため、営業戦略の策定や離脱を防ぐ施策なども考えることができます。DXを推進するためのデータプラットフォームとして機能し始めています」(中嶋氏)

システム構成図

データプラットフォームを活用しDXを推進

こうして学研エデュケーショナルは、サイロ化・ブラックボックス化したシステムを統合することに成功した。しかも単なる業務効率化に留まらず、データに基づいて様々な判断を行う入口に立った。このデータプラットフォームを構築したことで、さらなるDX推進を実現していくことができる。

「新しい基盤を構築したことで、次の一手を打てる状況が作れるようになったというのは確かです。一部、データやシステムが分散していたり、完全にシステム化されていなかったりする業務もありますが、それらのシステム化についても進め、データを集めることで、退会の予測や顧客の動向を先読みした情報提供なども実現していきたいと思います」と丸谷氏は語る。

石原氏は、「データを1箇所にまとめることができたので、今後はAIを使った分析なども容易になります。ローコードでシステムを作ることができるkintoneを使って、現場改善のアプリケーションも開発していくことができるでしょう。DXやデータドリブンを実現するための基盤を作成できたことは大きな成果です」と続けた。

新基幹システムの構築を通じ、サイロ化されたシステムを統合し、データに基づいた意思決定を可能にした。学研エデュケーショナルはこのデータプラットフォームを使い、さらなるDXの推進を実現していくことになるだろう。

本日は貴重なお話しをありがとうございました。

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【JBアジャイル導入事例】株式会社学研エデュケーショナル様

JBアジャイルとSaaSを組み合わせ、基幹システムを再構築

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