年間1万5千時間以上の業務時間削減! kintone導入で全社員をDX人財へ

北陸電力様は、電力の発電・販売事業を支える基盤となるDX 推進に取り組んでいます。DX の文化を社内全体に定着させることを目的とし、JBCCの伴走でワークショップ開催や運用ガバナンス整備などの活動を通じて社内での活用を推進しました。その結果、導入開始から9 か月で年間1 万5 千時間以上の業務時間を削減しています。これまでの取り組みで見えてきたDX 推進のポイントについて、福村 正人氏、浅井 圭介氏、麻生 啓太氏にお話を伺いました。
会社名 | 北陸電力株式会社 様 |
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設立 | 1951 年5 月 |
所在地 | 富山県富山市 |
事業内容 | 発電・販売事業 |
URL | https://www.rikuden.co.jp/ |
JBCCが伴走支援でkintoneの全社導入から普及活動までをサポート 導入前の課題と導入後の効果
全社のDX 推進や業務改革が急務
- 目まぐるしい環境変化にスピード感を持って対応していくためDX 推進が急務に
- システムの専門人材が不在で全社導入のルールが未整備のため、取り組みが難航
- 情報がExcel や紙に散在しており、非効率な業務が負担に
kintone 全社導入でDX 人材育成が加速
- JBCC のkintone 伴走支援・ワークショップにより全社の業務効率化が加速
- 運用ガバナンスワークショップを通じて自社に合った運用ルールを策定
- 社員自らアプリを作成し、導入開始から9 か月で年間1 万5 千時間以上の業務時間削減
激変する環境の変化に対応するためDX推進が急務に
北陸電力様の事業内容についてお聞かせください。
福村:北陸電力は、富山・石川・福井の3県に合計8つの支店と5つの営業所を設置し、主に電力の発電・販売事業を展開しています。中期経営計画において、経営の3 本柱として「Ⅰ安定供給確保と収支改善および財務基盤強化」「Ⅱ地域と一体となった脱炭素化の推進」「Ⅲ持続的成長に向けた新事業領域の拡大」を掲げており、これらの柱を支える土台の取り組みとして、DX を推進しています。
DX の取り組みの背景や状況について教えてください。
福村:2021 年度から、世界的な情勢不安や円安加速の影響などにより厳しい収支状況が続いたことや、目まぐるしい環境変化にスピード感を持って対応していくためには、全社・グループ全体での業務改革やDX 推進が急務との結論となり、経営企画部内に業務改革・DX 推進プロジェクト室を設置することになりました。
真っ先に取り組んだのは、DX 戦略の策定です。全社一丸となってDX を推進するため、向かうべき方向性を示す必要があると考えました。結果として経済産業省が定める「DX 認定」を取得することができました。
JBCCの伴走でゼロからのDX人財育成
DX の一環としてkintone を導入した経緯をお聞かせください。
福村:DX 推進プロジェクト室は事務系社員が集められており、デジタルツールの知識はあまり持っていませんでした。手探りで情報収集をする中で、グループ会社がkintone を導入したこと、地元の金融機関がkintoneを導入して業務フローを抜本的に見直したことなどを知り、興味を持ったのがきっかけです。こうした他社の成功事例・活用事例を参考に情報システム部門へ相談し、全社導入に向けた検討を本格的に開始したのが大まかな経緯です。
全社導入に向けての取り組みをお聞かせください。
浅井:kintone の導入でどのような効果が得られるのかを把握するため、社内から業務効率化のアイデアを収集することにしました。ただ、アイデアを出すためにはツールの理解が必要となってきます。この時期にJBCCとの出会いがあり、JBCCに依頼して本店の主管部向けにハンズオン研修をお願いしました。ハンズオン研修を実施、kintone が使えそうな業務、効率化できそうなアイデアを募集したところ、約50 個のアイデアが集まりました。
この結果をもとに費用対効果の試算結果も含めた活用方針を取りまとめ、役員審議にかけました。アプリ作成をデモンストレーションしながら導入効果を説明した結果、kintone の全社導入に結びつけることができました。
導入開始に向けての準備で苦労したことはありますか。
浅井:我々のチームにはシステムの専門人材がおらず、全社導入するツールを導入するのも初めてといった状況であり、全社導入の段取りに苦労しました。
全社導入するためには、セキュリティチェックや運用ルール策定といった壁を乗り越える必要があったのです。効率化の観点からすぐに全社で活用したかったのですが、情報システム部門はルール等が未整備の状況下ではセキュリティの観点から対象者を限定したいとの方針でした。この部門間でのギャップを埋める必要がありました。
そこでJBCCに依頼して、JBCCグループ2,000 名で活用しているノウハウをもとに、kintone 運用ルールや、セキュリティについて情報システム部門に共有してもらいました。その後、運用ガバナンスワークショップを開催して、スペース管理やアプリ管理のポイントについて事例を交えて紹介し、当社に合った運用ルールの策定についても支援してもらいました。こうした働きかけにより、kintone のガバナンス策定についても理解度を向上させることができました。
1万5千時間の業務削減を実現
導入後の定着に向けてどのような取り組みをされたのでしょうか。
福村:全社導入を開始したのは、2024 年4 月です。その後、定着の第1 ステップとして最初の2 か月でJBCCと全10 回のハンズオン教育を実施し、とにかくkintone に触れる人を増やしました。次のステップとして2024 年5 月からJBCCと案件発掘ワークショップを開催し、社内で水平展開できそうなアプリ作成方法や活用できる機能の説明を行いました。これまで合計1,000 名以上が参加し、定着が進んでいます。
当社ではDX 推進やkintone の活用について、IR で発信しています。株主向けの情報提供ではありますが、IR で発信することで社内でのkintone 活用の意識が醸成されていくことにもつながりました。
どのような業務でkintone を活用していますか。
麻生:全社で利用するものから各部門固有のものまで、幅広い業務で活用しています。例えば、営業部門ではお客さま管理業務をアプリ化しています。従来は、各支店で受注した案件をひとつのエクセルで管理しており、同時編集できないことによる待機時間の発生、案件の進捗状況がタイムリーにわからない、状況報告や確認に時間がかかるといった非効率が発生していました。アプリ化することで、それらの課題が解消され、営業戦略の立案といったコア業務に時間をかけることができるようになりました。
また、発電部門では電気機器の保守管理データベースをアプリ化しています。
10,000 点を超える発電所設備の電気品について、従来は複数の紙資料や電子ファイルに情報が点在しており、検索に多くの時間を要していました。それらのデータをアプリ上で一元管理することで、情報検索にかかる時間を大幅に削減することができました。
その他、アンケート等に関するものや、各種情報の管理簿、文書・議事録の管理など様々な業務に対応したアプリが作成されており、雛型化し社内で広く水平展開しています。

導入した効果をお聞かせください。
麻生:JBCCの支援を受けながら、導入を推進することでアプリ作成に積極的に取り組む社員も現れ、現在まで300 個以上の業務改善アイデアをkintone で形にすることができました。アプリを作成するユーザーは毎月増え続け、40 代後半の管理職もアプリを作成するなど、世代を問わず利用が進んでいます。
2025 年1 月末時点(導入から9 か月)で作成したアプリは300 アプリを超え、業務効率化効果は時間換算で1 万5 千時間を超えており、大きな効果が得られたと実感しています。
JBCCの支援について感想をお聞かせください。
福村:JBCCは、kintone 導入検討時のハンズオン研修、情報システム部門向けの運用ガバナンスワークショップや運用ルール策定支援、そして定着に向けてのハンズオン教育や案件発掘ワークショップと、当社のその時々の状況に応じた支援をしてくれました。「富山が第二の実家」と言わしめるほどJBCCには手厚くサポートしてもらったと思います。JBCCは次々と立ちはだかる壁を一緒に乗り越えていった同士のような存在です。
DXを企業文化として定着させることが大切
DX 人材の育成は多くの企業で取り組んでいますが、kintone の導入・拡大を進めてこられた上で見えてきた勘所があれば教えてください。
福村:一過性のブームで終わらず、文化としてどのように定着させるかが大事だと思います。kintone を導入するだけでは活用は進みません。特に導入初期はフォロー支援が不可欠です。当社では2024 年を勝負の年と位置付け、JBCCと共に汗をかく活動を積極的に進めてきました。
また職場内の推進協力者を増やしていくことも意識しました。意欲的にkintone を活用する人を増やすことで、今までの慣れている業務を維持したいというkintone 否定層に納得してもらうことができるからです。
今後の展望をお聞かせください。
福村:今後はグループ会社にもkintone の導入拡大・定着を行いたいと考えています。現在は各社共通のワークフローをkintone で実装できるか検討しているところです。当社で培ったノウハウをグループ全体に広げていくことで、さらなる効率化を図り、グループ会社のDX 人材の育成につなげていきたいと考えています。
kintone の活用には、実践的な教育・育成が大切です。今後もJBCCに手厚く支援いただけることを期待しています。
JBCC担当のコメント

【担当営業より】
本取組みは北陸電力様のDX推進計画の中心を担う、重要なプロジェクトとしてスタートしました。
JBCCはご期待に応えるべく、プロジェクトの導入・展開の各局面において、事務系部門、技術系部門など異なる部門間の課題に寄り添えるDXワークショップを用意し、利活用推進を徹底的にご支援いたしました。 その結果、9か月で300以上のアプリをお客様内部で作成いただくことができ、ご期待に応えることができたと考えております。
本事例からも、JBCCはお客様ご自身でのアプリ作成を支援するため、品質の高いワークショップを提供し、営業伴走支援を徹底しております。 ぜひ、私たちの提供するDXワークショップを体験いただきたく存じます。ご関心をお持ちいただけましたらお気軽にお問い合わせください。
第三事業部 北関東支店 中西 健(写真左端)
【製品担当より】
エンタープライズ企業様のDX推進支援として、kintoneを活用したご提案をさせていただきました。情報システム様、DX推進プロジェクト室の皆様、から多くの利活用促進のアイディアをいただき 各部門を訪問し、お客様の業務や現場課題を理解しながら、kintoneを用いた改善アイディアを提供するメニューである【kintoneDXワークショップ】を実施しました。
kintoneのイメージがまだ掴めていない方々からも、「これなら使えるかも!」という声を多くいただき、北陸電力様の業務改革の一歩をご支援できたことを大変嬉しく思います。 業務理解のある方が市民開発を行うことで、迅速な業務変革を実現できるのがkintoneの強みです。
今後も、現場課題の改善と業務効率化の伴走パートナーとして、ご支援させていただきます。
ハイブリッドクラウド事業部 ソリューション営業部 kintoneソムリエ 宮田 悠登(写真右端)
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