Oracle Cloud とは?主要クラウドサービスとの違いや導入メリット・デメリット
- Oracle Cloud の特徴と主要クラウドサービスとの違い
- Oracle Cloud 導入のメリットとデメリット
- Oracle Cloud の導入が向いている企業の特徴
Oracle Cloud(オラクル クラウド)とは、オラクル社が提供するパブリック・クラウドサービスです。
AWS や Azure といった主要クラウドサービスの弱点を改善し、高性能・高セキュリティ・低コストを実現しています。とくに、IaaSをリーズナブルに利用でき、幅広いクラウド活用に対応できるのが特徴で、第2世代クラウドとして注目が高まりつつあります。
しかし、主要クラウドサービスに比べてややシェア率が低いことからも、どのようなサービスでどういった導入メリットがあるのかわからないという方も多いでしょう。
そこで本記事では、Oracle Cloud の特徴や提供サービス、主要クラウドとの違い、導入のメリットなどを詳しく解説しています。

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Oracle Cloud(オラクル クラウド)とは?
Oracle Cloud とは、オラクル社が手掛けるパブリック・クラウドサービスの総称です。
IaaSからPaaS、SaaSまでの全領域をカバーする150以上のサービスを提供しています。その中核を成すのが「Oracle Cloud Infrastructure」と「Oracle Cloud Applications」です。
コンテナやVMware、さらにはAIに至るまで、ITシステムの移行や最新化に必要な機能がすべて揃っており、これらを低コストで利用できる点も大きな特徴です。
Oracle Cloud では、「Oracle Cloud Infrastructure」と「Oracle Cloud Applications」の2つのサービスを展開しています。
| サービスブランド | 種類 | 概要 |
|---|---|---|
| Oracle Cloud Infrastructure | IaaS |
システム基盤となるハードウェアやネットワークを提供 (例:CPU、メモリ、ストレージ) |
| PaaS |
システムを開発・実行するための環境を提供 (例:データベース) |
|
| Oracle Cloud Applications | SaaS |
業務アプリケーションを提供 (例:ERP、HCM、CX) |
第2世代クラウドとして注目
Oracle Cloud は、先行するクラウドサービスの課題を見直し、ゼロから再設計されたプラットフォームです。
とくに「オフボックス仮想化」や「クラウドサービスに適したネットワーク設計」を取り入れることで、セキュリティとパフォーマンスの領域を改善しました。
従来のコンピューター内で同居していた顧客データと監視システムを切り離す「オフボックス化」は、高速かつ安全な環境の実現に貢献しています。管理処理の分離は動作遅延の回避につながるほか、管理側に万が一脆弱性があっても、そこを踏み台にした顧客環境への侵入は困難なため、強固なセキュリティ環境といえるでしょう。
また、ユーザーごとに物理的な通信経路を確保するネットワーク設計も特徴のひとつです。他ユーザーのトラフィック干渉を受けないため、いつ利用しても変わらない安定したパフォーマンスを享受できます。
こうした設計により、可用性に加えてパフォーマンスと管理性という3つの観点でのサービス品質保証を可能にしています。
Oracle Cloud で提供されるサービス
ここでは、実際に Oracle Cloud で提供されている2つのサービスをご紹介します。
Oracle Cloud Infrastructure
Oracle Cloud Infrastructureでは、主にインフラストラクチャとプラットフォームを提供しています。
具体的なサービスの一覧は、以下の通りです。
| サービスの種類 | 概要 | サービスの具体例 |
|---|---|---|
| 開発者向けサービス | 最新のクラウド・アプリケーションの構築や管理をサポートするツールやプラットフォームを提供 |
・Java ・APEX ・API Gateway/APIManagement など |
| ストレージ | 複数のストレージを備えていて、どのような用途にも対応できる |
・Archive Storage ・Block Volumes ・File Storage など |
| 統合サービス | クラウドとオンプレミスのデータやアプリケーションを統合するためのツールを提供 |
・API Management ・Application Integration など |
| コンテナとファンクション | アプリケーションを稼働させるためのコンテナ(仮想環境の技術)や機能を提供 |
・Kubernetes Engine ・Functions など |
| 分析とBI | データ分析のためのプラットフォームや機能を提供し、組織の成長を支援 | ・Oracle Analytics など |
| ネットワーキング | クラウドを利用するための安全なネットワークやネットワーク関連機能を提供 |
・DNS Management ・Virtual Cloud Network など |
| AIおよび機械学習 | 事前に構築されたAIモデルや、開発・学習のためのプラットフォームを提供し、アプリケーションへのAIの組み込みや独自のAIモデルの構築・学習を可能とする |
・AI Services ・HeatWave GenAI など |
| Oracle Database | コスト効率よく、高性能なマルチモデル・データベース管理システム |
・Autonomous AI Database ・Data Safe ・Enterprise Database Service など |
| ビッグデータとデータ・レイク | 多様なデータを一元化する基盤を提供し、あらゆるデータを分析や機械学習に活用しやすくする |
・Big Data Service ・Data Catalog ・Data Integration など |
| オープン・ソース・データベース | データの保存と分析を一元化できるクラウドデータベースサービス |
・Database with PostgreSQL ・ HeatWave MySQL など |
| コンピューティング | 処理量や作業負荷に合わせてコア数とメモリを自由にカスタマイズ |
・Virtual Machines ・Bare Metal Servers ・HPC Compute など |
| ネイティブVMware | オンプレミスのサーバー仮想化に用いられてきたVMwareをクラウドでも利用するための基盤を提供 | ・VMwareソリューション |
Oracle Cloud Applications
Oracle Cloud Applicationsは、用途に合わせて構築されたツールやシステム、ソフトウェアを提供しています。組織内の各種業務をサポート・効率化する幅広いアプリケーションを展開しているサービスです。
具体的なサービスの一覧は、以下の通りです。
| サービスの種類 | 概要 | サービス名 |
|---|---|---|
| エンタープライズ・リソース・プランニング | 会計、分析、統合などの基幹システムを提供 | Oracle Enterprise Resource Planning(ERP) |
| 人材管理 | 従業員データの管理やタレントマネジメント、労務管理などを実施するアプリケーションを提供 | Oracle Human Capital Management(HCM) |
| サプライチェーンと製造 | サプライチェーン全体の製造や在庫や販売、財務を管理するためのアプリケーションを提供 | Oracle Supply Chain Management(SCM) |
| マーケティング | MAツールなど、マーケティング活動を支援するアプリケーションを提供 | Oracle Marketing |
| セールス | CRMやECサイトの構築、販売・営業活動を支援するアプリケーションを提供 | Oracle Sales |
| サービス | チャットボットツールなど、スタッフの生産性やカスタマーエクスペリエンスの向上を支援するアプリケーションを提供 | Oracle Service |
Oracle Cloud と主要クラウドの違い
Oracle Cloud は、後発の第2世代のクラウドサービスです。主要3大クラウドである AWS 、Azure 、Google Cloud とはどのような点に違いがあるのでしょうか。
以下で、各種クラウドサービスを比較しています。
| サービス | 強み | データ転送料 | 無料枠 | SLA(サービス品質保証) |
|---|---|---|---|---|
| Oracle Cloud |
・データベース ・コスト効率の高いIaaS ・幅広いクラウド活用 ・Oracle製品との連携 |
毎月10TBまで無料 |
・30日間の無料トライアル ・無期限の無料枠あり(Always Freeクラウドサービス) |
可用性・性能・管理性の3つを保証 |
| AWS(Amazon) |
・サービスが豊富 ・サービス利用者が多くナレッジが豊富 |
従量課金 |
・最大6ヶ月間の無料クレジット(最大200ドル分)※ ・6カテゴリの常時無料サービスあり |
可用性のみ保証 |
| Microsoft Azure |
・Windows との親和性 ・Office 365 との連携 |
従量課金 |
・最初の12ヶ月間無料(+開始30日間有効なクレジット等) ・65以上の常時無料サービスあり |
可用性のみ保証 |
| Google Cloud (GCP) |
・ビッグデータ分析 ・AI/機械学習 ・Google Workspaceとの連携 |
従量課金 |
・90日間の無料トライアル ・使用量上限まで無料で利用できるプロダクトあり |
可用性のみ保証 |
※2025年7月以降の新規登録ユーザーが対象。詳細は公式サイトをご確認ください。
次章では、どのような点で Oracle Cloud が優れているのかを詳しくご紹介しています。
Oracle Cloud のメリット
Oracle Cloud には、以下のようなメリットがあります。
- 圧倒的なコストパフォーマンス
- 「可用性」以外の性能も保証するSLA
- セキュリティ性の高さ
- Oracle Databaseとの親和性の高さ
ここでは、メリットについて詳しくみていきます。
圧倒的なコストパフォーマンス
クラウドから外部へデータを持ち出す際の転送コストは、意外とかさみやすいものです。
主要クラウドサービスの転送にかかる無料枠は、多くても100GB程度が一般的です。対して、Oracle Cloud なら毎月10TBまで無料で利用できます。
動画配信や頻繁なデータ共有など、トラフィックが多いシステムを運用する場合ほど、そのコストメリットが実感できます。
「可用性」以外の性能も保証するSLA
一般的なパブリッククラウドのSLA(サービス品質保証制度)は「サーバーが稼働していること(可用性)」のみを対象としています。
しかし、Oracle Cloud は業界で唯一、以下の3つの領域すべてに対してSLAを定めています。
- 可用性
- サービスが停止しないこと
- 性能
- 処理速度やネットワーク遅延が悪化しないこと
- 管理性
- 管理コンソールやAPIが正常に動作し、操作可能なこと
コストパフォーマンスが高いだけでなく、サービス品質がしっかり保証されているのは他社にはない大きなメリットです。
セキュリティ性の高さ
Oracle Cloud は、設計段階から安全性を確保する「セキュリティ・バイ・デザイン」の考えに基づいて構築されています。その具体例が、前述の「オフボックス仮想化」です。
顧客データと管理用ネットワークを物理的に分離しているため、攻撃者が管理層から顧客データへ侵入するのを防ぐことが可能です。
さらに、セキュリティ管理を自動化する「Cloud Guard」や「Security Zones」に加え、データセキュリティ監視ソフトである「Data Safe」が無償で提供されています。
基本のセキュリティ機能が提供される点は運用する上でも心強く、大きなメリットでしょう。
Oracle Databaseとの親和性の高さ
とくにOracle Database を利用されている企業にとって、Oracle Cloud は唯一無二の選択肢となり得ます。オンプレミスと変わらない環境を維持しつつ、高いパフォーマンスで利用できる点は大きな強みといえるでしょう。
Oracle 製品の価値を最大限に引き出せる環境が整っているほか、オンプレミスで利用していたライセンスをクラウドへ持ち込めるメリットもあります。
現行システムを継承しながら、スムーズなクラウド移行が実現できる点は魅力です。
Oracle Cloud のデメリット
一方で、Oracle Cloud には以下のようなデメリットもあります。
- 他社のクラウドサービスに比べて提供サービスが少ない
- 技術情報が少ない
導入を検討する上ではデメリットについても理解しておくことがポイントです。
他社のクラウドサービスに比べて提供サービスが少ない
Oracle Cloud では現在150以上のサービスが提供されていますが、サービス数が先発の主要クラウドサービスに比べると少ない点はデメリットといえます。
たとえば、Azure は200以上、AWSは300以上のサービスを提供しています。
とはいえ、現状のラインナップでも対応できるニーズの幅は狭くはなく、むしろ選択肢が多すぎない分、全体像を把握しやすいという利点も考えられます。
年々新たなサービスも追加され続けているため、この点は大きなデメリットにはならないでしょう。
技術情報が少ない
主要クラウドサービスと比較すると、Oracle Cloud の導入実績はまだそれほど多くありません。そのため、手に入る技術情報も限られており、自社のエンジニアだけで疑問や問題を解決するのが難しい点はデメリットといえるでしょう。
また、Oracle Cloud に精通したエンジニアも市場に多くはないため、自社だけで体制を整えようとすると採用に苦戦する可能性もあります。
こうしたリスクを避けるためにも、Oracle Cloud の導入実績があり、かつ主要クラウドサービスにも詳しいパートナーに構築や運用を依頼することが推奨されます。
Oracle Cloud の導入が向いている企業
以下のような企業は、Oracle Cloud の導入が向いています。
- Oracle製品をメインで利用している
- オンプレミスの良い点は引き続き活用したい
- データ転送量が多いビジネスを展開している
- 高性能なインフラを低コストで利用したい
自社がOracle Cloud の導入に向いているかを確認してみましょう。
Oracle製品をメインで利用している
現在、オンプレミスでOracle製品を利用されている企業にとって、Oracle Cloud はクラウド化における有力な候補といえます。
オンプレミスとクラウドで提供される製品やサービスが共通しており、スムーズに移行できる点は大きなメリットです。
とくにデータベースに関しては、既存のライセンスをそのまま引き継ぐことができるため、コスト面でも大きなメリットがあります。
オンプレミスの良い点は引き続き活用したい
オンプレミスとクラウドをまたぐ柔軟な活用に対応している点も、Oracle Cloud の大きな特徴です。前述の通り、オンプレミスとクラウドで同じ製品やサービスが提供されているため、環境を問わずシームレスな連携が実現できます。
たとえば、基幹システムはこれまで通りオンプレミスで稼働させつつ、データの管理や分析にはクラウドを利用するといった使い方も可能です。
クラウドとオンプレミス、双方のメリットを活かした「いいとこ取り」の運用が叶うでしょう。
データ転送量が多いビジネスを展開している
動画配信サービスや大規模なECサイト、あるいは自社でクラウドサービスを展開するようなデータ転送量が多いビジネスにおいて、Oracle Cloud は大きなコストメリットを発揮します。
一方で、主要なクラウドサービスと比較すると、提供されているサービス数は多くはありません。
そのため、サーバーやデータベース、業務支援ツールといった一般的な範囲でのクラウド活用をお考えの企業にとって、無駄がなく適した環境といえるでしょう。
高性能なインフラを低コストで利用したい
高性能なインフラを低コストで利用したい企業にとっても、Oracle Cloud は最適といえます。
可用性や性能、管理性の品質が保証されているうえ、優れたコストパフォーマンスを兼ね備えている点は大きな魅力です。
現在のクラウドやオンプレミスの費用を見直したい場合など、コスト削減のニーズに対しても有力な選択肢の一つになり得るでしょう。
ただし、特定のクラウドサービスに深く依存していないケースでの導入がおすすめです。状況によっては、移行コストが削減効果を上回ってしまう恐れもあるため、トータルでの見極めが重要です。
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まとめ
Oracle Cloud は、オラクル社が提供する第2世代のパブリック・クラウドサービスです。IaaSからSaaSまで150以上のサービスを網羅し、とくに「毎月10TBまでのデータ転送無料」や「可用性・性能・管理性を保証するSLA」、「Oracle Databaseとの高い親和性」が大きな強みです。
コストを抑えつつ高性能なインフラを求める企業にとって、Oracle Cloud は有力な選択肢となるでしょう。
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