Microsoft 365 とは?機能やプラン、Office365 との違いを解説
ビジネスの現場では、Excel や Word、PowerPoint など資料を作成する際、多くの場合Officeアプリケーションを利用しています。Microsoft 365 はサブスクリプション型の Office アプリケーションである Office 365 に、Windows OS やセキュリティ機能が組み合わさった統合ソリューションです。
Microsoft 365 の機能やサービス、メリット、プランについて解説します。
情報共有がスムーズになり生産性向上に寄与する Microsoft 365
Microsoft 365 とは、従来まであった Office 365 だけでなく Windows10(11)、Enterprise Mobility + Security が組み合わさった統合ソリューションです。
Microsoft 365 の特徴はこれらが月額のサブスクリプションで提供される点です。契約後のアップデートに対応しており、常に最新版を使うことができます。また、ユーザー数に合わせての購入が可能で、煩雑なライセンス管理は必要ありません。プランによって機能が異なるものの、オンラインストレージ「 OneDrive 」やグループウェア「 Microsoft Teams 」といったさまざまなサービスを定額料金で使用できるという点も魅力のひとつです。
Microsoft 365 のデータはクラウドで管理されるため、パソコンやタブレット、スマホなどさまざまなデバイスからデータを閲覧・編集できるほか、プロジェクトチームでの情報共有もスムーズに行えます。チームでの生産性向上にも寄与するソリューションとなっているのです。
Office 365 と Microsoft 365 の違い
2011年6月28日に誕生した「 Office 365 」は、様々な機能拡張を経て2020年4月22日に「 Microsoft 365 」へ名称変更されました。常に最新の Office アプリを利用できるだけではなく、SharePoint Online や Exchange Online、Teams をはじめとした情報共有やグループウェアとして利用できる機能が強化され、もはや単なる Office アプリのクラウド版とは言えないスイート製品へと進化しています。
Office アプリを中心としたコアサービスを包括するサブスクリプションサービスが「 Office 365 」であり、更に「 Microsoft 365 」は「 Office 365 」の全ての機能・サービスを包含した上で、セキュリティを確保した安心・安全な作業環境を確保し、従業員やチームのパフォーマンスを最大化できるサービスとなっているのです。Office アプリのサポート終了や新型コロナウイルス感染症の影響による新しい働き方の実現に課題を抱えた企業にとって、とても魅力的なサービスといえるでしょう。
Microsoft 365 で提供されるサービス・機能
Microsoft 365 で提供されるサービスについて紹介します。 企業向けの Microsoft 365 には従業員300名以下の一般法人向けと、大企業向けの大きく二つのプランがあり、ここでは一般法人向けを例に紹介します。
Microsoft Teams
Teams は、Microsoft が提供するビジネスチャットツールです。Microsoft が提供する各種のサービスと連携できる機能を持っていることが強みです。Teams を通じた資料の共有なども簡単です。
さらにタスクの割り振りなども Teams 上でできるため、業務を Teams によって一元管理できます。Salesforceなどのサードパーティアプリとの連携も可能で、すでに利用しているツールがあればカスタマイズして引き続き利用できます。
Office アプリ
Word ・ Excel ・ Outlook ・ PowerPoint などの Office アプリが使用できます。スマホやタブレットなどのモバイル端末用アプリである「 Office Mobile 」を使えば、モバイル端末から各種ファイルを編集できるなど、利便性が高くなっています。
クラウドストレージ
一般法人向けのサービスには、ユーザー1人あたり1TBの OneDrive が含まれています。
OneDrive は Microsoft が提供するクラウドストレージサービスで、スマホやタブレットなどどの端末からでもアクセスでき、自動でバックアップがされます。ドキュメントをリアルタイムで共同編集することも可能。
また OneDrive には「ランサムウェアの検出とファイルの回復」という機能があります。OneDrive 上にあるファイルがランサムウェアの攻撃を受けた場合、それを検出しファイルを復元するための手順を表示、ファイルを復元します。
メールとスケジュール管理
Microsoft が提供する法人向けメールサービスが Exchange です。検索機能が充実している点や、アドインによる機能のカスタマイズができる点などが特徴として挙げられます。
スケジュール管理機能では、受け取ったメールの文面から会議の日時や、フライト情報などの重要な情報を取り出し提案してくれる機能もあり、効率的に重要なメッセージを確認できます。
セキュリティ
Microsoft 365 はセキュリティ機能も充実しています。Microsoft 365 Defender はエンドポイント、ID・メール・アプリケーション全体において、高度なセキュリティを実現します。万一、サイバー攻撃を受けた場合も、メールボックスやユーザーIDを自動で自己修復します。また、組織のセキュリティレベルを数値で表す Microsoft セキュアスコアを確認することにより、現在の状態について把握できます。
Exchange Online Protectionは(EOP)、スパムやフィッシングなどメールに関する脅威からユーザーを守るフィルタリングサービスです。EOPは Exchange を利用できるすべてのプランに含まれています。
Microsoft 365 では上記以外にもさまざまセキュリティ機能が提供されています。
デバイス管理
Microsoft 365 の利用におけるデバイス管理ソリューションとして、Microsoft Intune があります。
Intune を使用することで、1人あたり複数台のデバイスを管理できます。Intune はiOS・Android・WindowsなどOSを問いません。特定のOSやプラットフォームを容易に管理できるように、プラットフォームごとにポリシーや設定が分けられていることも特徴です。万が一デバイスを紛失した場合にも、自身の Outlook アカウントなどから5分程度でリモートワイプ(遠隔によるデータ削除)の実施が可能です。
Microsoft 365 のメリット
Microsoft 365 を使うメリットについて解説します。
常に最新の Office アプリを利用できる
Microsoft 365 では常に最新の Office アプリが提供され、ユーザー全員が最新バージョンの Office アプリを使用します。バージョンの差に起因する互換性などのトラブルが起きる心配はありません。
また、全員が同じバージョンの Office アプリを使っているので、業務マニュアルは最新 Office アプリをベースに1つだけ作成すればよく、バージョン違いのユーザー毎に準備する手間がかかりません。Office アプリに脆弱性が見つかった場合、Microsoft 365 のユーザーであれば随時対応されるため、対策を検討する必要がない上、セキュリティの面での懸念も少なくなります。
共同作業ができるので作業効率化・業務改善に繋がる
Microsoft 365 で作成されたデータは、クラウドに保存されます。クラウドのデータは、全社規模のコミュニティに接続できるメンバーであれば容易に共有でき、リアルタイムに共同作業を行うことも可能となります。データを送受信したり、相手の対応を待ったりする必要がなくなるため、生産性の向上にも寄与する上、何度もファイルをやりとりするうちに発生しがちな「バージョン違い」問題に悩まされることもありません。
テレワークで作業する際、ネットワーク環境が見つからないこともあります。Microsoft 365 はクラウドサービスではありますが、ネットワークを使えない環境下でも心配は無用です。ネットワークがない環境で作成したり編集したりしたファイルは、ネットワーク環境が復活したタイミングで同期が始まり、クラウドに保存することができるため、生産性に影響することはないのです。
高度なセキュリティを確保
Microsoft 365 では包括的なセキュリティ対策が提供されているため、自宅や会社、移動中でも安全に業務を行うことができます。
不正ログイン対策として、メールアドレスとパスワードによる認証に加え、電話やSMSなどを使った多要素認証も設定できます。また、重要なデータは権限が与えられているユーザーのみが閲覧できるといったコントロールも可能です。
IT管理が楽になる
Microsoft 365 はセキュリティがしっかり確保され、それに加えユーザーやデバイスなどの管理がシンプルに行える点も魅力のひとつです。クラウドベースの単一ダッシュボードで管理できるため、IT管理者は容易に管理が可能となります。
Microsoft 365 のデメリット
Microsoft 365 はメリットばかりではありません。デメリットに留意しておく必要があります。詳細について見ていきましょう。
サブスクリプション型であるため利用中はコストがかかる
Microsoft 365 はサブスクリプション型のため、利用中は継続的にコストがかかってしまいます。また、何らかの事情で利用しない期間はプランを停止する、無駄なライセンスを削除するなどのメンテナンスが必要となります。従業員の入退社時にはアカウントの管理も必要になります。
障害が起きた際に業務が停止する可能性がある
Microsoft 365 はクラウドサービスであるため、サービス側のネットワークに障害が起きてしまった場合にはサーバー上に置いてあるデータが使えず、業務が停止してしまう可能性も。
2022年7月には、Microsoft Teams と Microsoft 365 の一部機能が使えない事態に陥りました。これは Microsoft 側における内部ストレージへの異常が原因とされています。ファイルのバックアップを別の場所に取るなど、障害が起きた際にも対応できるように備えておく必要があります。
プランや機能が多いため導入は一定の知識が必要
大企業向けや一般企業向けなど、Microsoft 365 は利用できる機能が多く、プランも複数用意されているため自社にあったプランを選定するのはやや手間がかかります。また、導入や設定には一定の知識が求められます。
そのため、情報システム部など導入や設定に対応できる人員がいない場合には、外部ベンダーなどに依頼して管理を行う形になります。
Microsoft 365 のプラン
Microsoft 365 のラインアップは、従業員数300名以下の一般向けと300名以上の大企業向けに、利用できる機能が細かくプラン設定されています。
一般法人向けプラン
一般法人向けプランには以下の4つのプランがあります。それぞれ表にまとめます。
- Microsoft 365 Business Basic
- Microsoft 365 Apps for business
- Microsoft 365 Business Standard
- Microsoft 365 Business Premium
プラン | Microsoft 365 Business Basic |
Microsoft 365 Apps for business | Microsoft 365 Business Standard | Microsoft 365 Business Premium |
---|---|---|---|---|
費用 | ¥650ユーザー/月 | ¥900ユーザー/月 | ¥1,360ユーザー/月 | ¥2,390ユーザー/月 |
サービス例 |
・参加者最大300人でチャット、通話、会議 ・Webとモバイル版のOfficeアプリ ・ユーザー1人あたり 1TBのクラウドストレージ ・法人メール |
・デスクトップ版のOffice アプリ (プレミアム機能付き) ・ユーザー1人あたり 1TBのクラウドストレージ ・法人メール |
Business Basic の内容すべてに加えて ・ウェビナーを簡単に開催 ・出席者登録とレポートのツール ・顧客の予約を管理 |
Business Standard の内容すべてに加えて ・高度なセキュリティ ・アクセスとデータの制御 ・サイバー脅威の防止 |
大企業向けプラン
大企業向けプランは以下の3つです。
- Microsoft 365 F3
- Microsoft 365 E3
- Microsoft 365 E5
プラン | Microsoft 365 F3 | Microsoft 365 E3 | Microsoft 365 E5 |
---|---|---|---|
費用 | ¥870ユーザー/月 | ¥3,910ユーザー/月 | ¥6,200ユーザー/月 |
《サービス》 | |||
Microsoft 365 Apps | ○ | ○ | ○ |
メールと予定表 | ○ | ○ | ○ |
Web 会議と音声通話 | 一部機能のみ | 一部機能のみ | ○ |
デバイスとアプリの管理 | 一部機能のみ | ○ | ○ |
ソーシャルとイントラネット | ○ | ○ | ○ |
ファイルとコンテンツ | ○ | ○ | ○ |
作業管理 | ○ | ○ | ○ |
セキュリティ管理 | ○ | ○ | ○ |
高度な分析 | × | 一部機能のみ | ○ |
ID とアクセスの管理 | 一部機能のみ | 一部機能のみ | ○ |
情報保護 | 一部機能のみ | 一部機能のみ | ○ |
コンプライアンス管理 | 一部機能のみ | 一部機能のみ | ○ |
Microsoft 365 のよくある質問
Microsoft 365 におけるよくある質問について解説していきます。
- Q:ユーザーにつき何台までOfficeアプリのインストールが可能か
- Microsoft 365 では、Windows PCもしくはMac最大5台まで、またはタブレット5台、モバイル端末5台にインストールが可能です。
- Q:どのような支払方法があるか
- 支払い方法はクレジットカード決済、もしくは一回の支払い金額が48,500円以上の場合に請求書支払いが可能です。一般法人向け Microsoft 365 におけるほとんどのプランにおいて、月間契約・年間契約での支払いが選択できます。
- Q:無料の試用期間はどれくらいか
- Microsoft 365 は無料で1か月試用できます。
Microsoft 365 の運用を導入・運用を支援するJBCC
Microsoft 365 は多機能で多くのプランが用意されているため、「どのプランを導入すればいいのか分からない」「機能がたくさんありすぎて、使いこなせるかどうか不安」「社内に定着するのか不安。教育のためのリソースもないのに...」という情報システム部門の声が多いのも実情です。
JBCCでは、Microsoft 365 を導入する上での課題について、Microsoft 製品を熟知したスタッフが基本的な使い方や活用方法、定着支援を無償でサポートするセミナーやワークショップを開催しています。
また、セキュリティを含めた総合的な提案や運用などの支援、連携ソリューションを活用した Microsoft 365 の利便性の向上、各種カスタマイズなどもご支援しています。
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https://www.jbcc.co.jp/lp/m365ws/
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