人手不足や地域による医療格差が問題となっている医療業界。いわゆる「団塊の世代」が後期高齢者となる2025年には、さらに医療機関の負担が増えると考えられており、早急な対応が求められています。
デジタル化を推進することで業務効率を上げ、経営力を強化することがこの課題の解決策のひとつと言えるでしょう。そうした対策の費用をサポートしてくれるのが「IT導入補助金」です。
この記事では、医療法人も利用可能なIT導入補助金について解説します。
目次IT導入補助金が利用できるもの IT導入補助金の手順 交付されやすくするためのポイント IT導入補助金以外のIT化に便利な制度 JBCCのクラウドカルテ「blanc」 まとめ |
IT導入補助金とは
IT導入補助金とは、中小企業がITツールを導入する際に利用できる補助金です。中小企業庁監督のもと一般社団法人サービスデザイン推進協議会が事務局業務を行っています。
IT導入補助金の目的は、自社に合ったITを導入することで、業務を効率化し売上をアップさせること。ITに精通した導入支援事業者と企業を結び、支援事業者と企業が協力して目的達成のためのIT導入をサポートします
製造業やサービス業、医療法人、NPO法人など、さまざまな分野で活用が可能です。
IT導入補助金には、通常枠(A類型・B類型)とセキュリティ対策推進枠、デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)、デジタル化基盤導入類型(複数社連携IT導入類型)の4種類があります。
〇通常枠(A類型・B類型)
通常枠は、生産性を上げるITツールを導入するための補助金です。医療であれば、電子カルテなどの診療管理システム、睡眠や脈拍など患者さまの状態を観察するための対象者状態管理システムなどで利用できます。A類型(機能プロセスが1以上)は、30万円~150万円、B類型(機能プロセスが4以上)は150万円~450万円が補助額で、どちらも費用の1/2まで負担してもらえます。
〇セキュリティ対策枠
セキュリティ対策推進枠は、セキュリティ対策を目的としたツールを導入するための補助金です。対象となるのは、独立行政法人情報処理推進機構が「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」として公表しているサービスのいずれかを利用する場合で、サービス利用料を最大2年分補助してもらえます。補助額は5万円~100万円で、補助率は1/2です。
〇デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)は、会計ソフトや受発注システムなど、企業間取引の効率を上げるために利用できる補助金です。ソフトウェアやクラウド利用料のほか、パソコンやタブレットなどのハードウェア購入にも利用できます。
ITツールの補助額は5万円~350万円で、50万円以下の場合の補助率は3/4、50万円を超える場合は2/3が補助されます。
ハードウェアでは、パソコンやタブレットは10万円まで、レジや券売機は20万円まで。どちらも1/2まで補助を受けることが可能です。
〇デジタル化基盤導入類型(複数社連携IT導入類型)
デジタル化基盤導入類型(複数社連携IT導入類型)は、複数の企業が連携してITを導入し、地域のDXに取り組む際に利用できる補助金です。システム導入以外にも、消費動向などの分析や団体運営のための事務費、専門家への謝礼・旅費などにも利用できます。
システム導入のための費用や補助率は、デジタル化基盤導入類型と同じです。分析費用は、補助率が2/3で上限は3000万円。事務費や謝礼は、補助率が2/3で上限は200万円となっています。
〇IT導入補助金の利用条件
医療法人がIT導入補助金を利用するには、以下の条件を満たす必要があります。
- 日本国内に法人格を持つ中小企業
- 常時使用する従業員の数が300人以下
- 1年後の伸び率が3%以上、3年後の伸び率が9%以上(過去にIT導入補助金を利用している場合には、1年後の伸び率が4%以上、3年後の伸び率が12%以上
及びそれと同等以上の生産性の向上が見込める計画書を提出すること
続きはJBCCが運営するMedical Visionサイトでご覧いただけます
※別ウィンドウが開きます
JBCC株式会社JBCC株式会社は、企業のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を支援する総合ITサービス企業です。クラウドサービスを中心にシステムの設計から構築、運用までを一貫して手掛けており、クラウド 2,150社、超高速開発による基幹システム構築 440社、セキュリティ 1,100社の実績があります。 |