Microsoft Officeアプリには、オンプレミスの買い切り型やクラウドで提供されるサブスクリプション型など、ライセンスやプランが多数用意されています。どのプランを選べばいいか分からないという人に向けて、Officeアプリの違いについて紹介します。
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買い切り版のMicrosoft Officeと、サブスク型のMicrosoft 365
Microsoft WordやMicrosoft Excel、Microsoft PowerPointなどのOfficeアプリは、仕事に不可欠なツールです。これらのアプリは、オンプレミスで提供される買い切り型のMicrosoft Office(以下 Office )を購入するか、クラウドで提供されるサブスクリプション型のMicrosoft 365を契約すると使えるようになります。
買い切り型とサブスクリプション型には、ライセンス形態やバージョン管理、コストなどの違いがあります。
買い切り型のMicrosoft Officeは、量販店で販売されているパッケージを購入するか、法人向け販売パートナー経由で購入します。使用するタイプによって異なりますが、価格は概ね2万円〜6万円前後。使用する上での追加コストは不要ですが、バージョンアップする場合は別途コストがかかります。
利用する人が増えればライセンスを追加購入できますが、サブスクリプション型のようにユーザーの増減に対して柔軟に対応できません。購入時期によってOfficeのバージョンが違うため、社内で利用しているOfficeのバージョン違いがトラブルを生む可能性もあります。
さらにライセンス管理に工数がかかるという問題もあります。IT資産管理を適切に行うために、別途ツールを用意しなければならなくなるかもしれません。
サブスクリプション型Microsoft 365の価格は、契約するプランによって異なりますが、月額数百円から2000円程度(2023年03月13日時点)。契約期間が決まっていて、その間であればOfficeが使用できます。常に最新版のOfficeアプリを使用できるため、バージョンの違いによるトラブルの心配はありません。ユーザーの増減に柔軟に対応でき、ライセンス管理は容易です。
サブスクリプション型の場合、Officeアプリ以外にMicrosoft TeamsやSharePointなどさまざまなサービス・機能が利用できます。こういったサービスを使えば容易に情報を活用・共有できるため、多くの企業がMicrosoft 365を採用し始めています。
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買い切り型のOffice 2019とOffice LTSCの違いとは
ボリュームライセンスで販売されていた買い取り型のMicrosoft Officeの最新版は、Office LTSC 2021となります。ここでは、Office LTSC 2021とこれまで販売されてきたOffice 2019との違いについて説明します。
特に大きな違いは、Officeの利用シーンの変更です。従来のOfficeは、クラウド移行の準備ができていない企業向けに、インターネット接続が制限されたローカル環境でも使えるようになっていました。
Office LTSCは、ローカル環境で使用する特定用途のデバイス向けとして提供されています。具体的には、数年規模で機能アップデートをしないように制限している工場内のプロセス制御デバイスや特定業務などの専用システムでの使用を想定しています。
価格も改定され、Office 2019と比較し最大18%ほど値上げされています。サポート期限も変わりました。Office 2019までは5年間のメインストリームサポートと2年間の延長サポートがついていましたが、Office LTSCでは5年間のメインストリームサポートのみとなっています。
買い切り型Officeの課題とは
買い切り型Officeには、いくつか課題があります。
まず、初期コストが高いという点。買い切り型Officeアプリは永続ライセンスであるため、購入した後はコストがかかりません。しかしバージョンをアップグレードしたり、サポート終了にOfficeアプリを入れ替えたりする場合、新規導入と同等程度のコストが必要となります。
また、購入するタイミングによって導入できるバージョンが異なるため、社員ごとに違うバージョンを使うことになる可能性があります。社員間で異なるOfficeを使うと、ファイルの互換性の問題が起きたり、プロダクトキーを管理しなければならなくなったりします。社員が増えれば増えるほどバージョン管理やライセンス管理工数が膨大になってしまうのも課題です。
昨今、パソコンやスマホ、タブレットなど複数の端末を使って仕事をするケースが増えていますが、買い切り型Officeの場合、ライセンスの内容にもよりますが使用できる端末は1台〜2台。使用できる端末制限によって作業効率に影響がでてしまうという課題もあります。
従来のOfficeはクラウド移行の準備ができていない企業向けに提供されていたこともあり、オフラインでの使用が前提となっています。そのため、ファイルをシェアしたり、情報を共有したりする場合、メールを使うことになります。そうするとメールを送る手間もかかりますし、メールに添付したファイルのバージョン管理が煩雑になり、最新版が見つからないという問題も発生します。
ほかにも、作成したファイルをローカルに保存するためパソコンのストレージを圧迫したり、外出先からファイルにアクセスできない、PCが故障するとファイルも取り出せないといった課題があります。
Office 2019とOffice LTSC、Microsoft 365の違いとは
買い切り型の「Office 2019/Office LTSC」と、サブスク版の「Microsoft 365」を比較しましょう。
サポート期間は、Office 2019が製品発売開始から7年(2025年10月14日まで)、Office LTSCが製品発売時期から5年(2026年下半期を予定)です。Microsoft 365は、利用している期間がサポート期間となります。これは大きな違いと言えるでしょう。
次に、バージョン管理について比較します。すでに説明したように、買い切り型のOfficeはバージョン管理に課題があります。Microsoft 365は常に最新版を使用できるため、バージョン管理が不要です。
次にコストを見てみましょう。買い切り型Officeは導入時や入れ替え時、バージョンアップ時などに比較的高めの買い換えコストが発生します。Microsoft 365は月額料金で利用できるため、コストを平準化できるというメリットがあります。社員数の増減にも対応できるので、社員数が増減しやすい業界でも使用しやすいソリューションと言えるでしょう。
最後に、情報の共有しやすさも比べてみます。Microsoft 365はクラウドで容易に情報共有できるため、情報の利活用が進み、生産性の向上にも寄与します。買い切り型Officeはメールを使った情報共有がメインになるため、さまざまな課題があります。
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買い切り型より安い!? Microsoft 365のコストメリット(2023年3月13日時点)
最後に、サブスク型であるMicrosoft 365を導入した場合のコストを見てみましょう。Microsoft 365を導入すると、定額のコストがかかります(年契約の場合、約10800円)。
買い切り版の「Office LTSC 2021」は、初期導入時(約5万4000円)以外にコストはかかりません。しかしサポート終了時期が2026年下半期と決まっているため、購入時期が遅くなればなるほど、買い換え時期が早くなります。
つまり、今年(2023年)購入した場合、20234年から2026年までの約4年間でサポートが終了してしまい、更新する際に追加コストがかかってしまいます。
たとえば「Office LTSC 2021」が発売された2022年9月からサポート終了までの期間を考えると、コストは約54000円。同じ期間で「Microsoft 365」を使ったとすると、コストは約44000円となります。つまり、純粋にコストだけ比べても、Microsoft 365のほうが安いという結果になります。
法人向け製品の価格値上げで駆け込み需要が増加中
Microsoft法人向け製品の駆け込み需要が増えています。実は、Microsoftの法人向け製品は2023年4月1日より提供価格が値上げされ、買い切り型製品は20%の値上げ、オンラインサービスは15%の値上げとなっています(現時点で具体的な製品、サービスの詳細情報は発表されていません)。
Microsoft Officeの更新時期によっては、今すぐ購入すればコストが抑えられることから、駆け込み需要が増えているのです。
まとめ
これまで紹介してきたようにMicrosoft Officeアプリには、多数のプランが用意されています。
そのため「どのプランを導入すればいいのか分からない」「機能がたくさんありすぎて、使いこなせるかどうか不安」「社内に定着するのか不安。教育のためのリソースもない......」という情報システム部門の声が多いのも実情です。
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JBCC株式会社JBCC株式会社は、企業のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を支援する総合ITサービス企業です。クラウドサービスを中心にシステムの設計から構築、運用までを一貫して手掛けており、クラウド 1,740社、超高速開発による基幹システム構築 400社、セキュリティ 1,100社の実績があります。 |