急遽テレワークを始めることになった場合、特に慎重な判断が求められるのが、セキュリティや接続機器の問題です。安易にインターネットから業務データへアクセスできるようにした結果、個人情報や機密情報などが漏洩してしまえば、会社の信用を落とすだけでなく、業務自体に影響が出る恐れもあります。ノートPCを使用していれば自宅へ持ち帰ることもできますが、デスクトップPCで作業している場合は、そう簡単にはいきません。
では一体、どうすればいいのでしょうか?その答えの選択肢となるのが、VDI(仮想デスクトップ)です。今回は、いま話題のVDIについて解説します。
VDI(仮想デスクトップ)とは
VDIはVirtual Desktop Infrastructureの略で、日本語では「仮想デスクトップ」を意味します。VDIでは、デスクトップ環境をネットワーク上に構築し、画面情報をユーザーに転送します。ユーザーはネットワークを介してVDIにログインし、通常のOS使用時と同様にクライアント端末からキーボードやマウスで操作すると、サーバー側の仮想デスクトップにその信号が送られ、ユーザーが見ている画面情報に反映されるというものです。最近では、大手保険会社のコールセンターが、VDIを活用した500人規模のテレワークに移行したことでも話題になりました。
サーバーを社内に設置する「オンプレミス型」のほか、フレキシブルな導入が可能なことで注目されている「クラウド型」などがあります。少人数から導入できることから、現在特に注目が集まっているクラウド型のVDIでは、Microsoft社の提供する「WVD」、ヴイエムウェア社の提供する「Horizon Cloud」など、利用環境に即した様々な選択肢が用意されています。
VDIの5つのメリット
VDIには、テレワークに適している「5つの理由」があります。
1)セキュリティが高い
物理的なPCにデータを保存している場合はデータ漏洩の様々なリスクがあります。端末紛失対策、ウィルス対策、機密性の高いデータの完全消去など、データを漏洩させないための対策を多く講じなければなりません。VDIの場合は、仮想デスクトップにアクセスして作業するため、物理端末にはデータが保存されません。そのため、万が一端末を紛失した場合でも、機密データを保護することが可能です。
2)アクセス性が良い
ネットワークを通じて仮想デスクトップにアクセスするため、VPNを構築しなくてもセキュリティの高い環境に接続することができます。そのため、外出先でPCがなくても、スマホやタブレットからのアクセスが可能です。これは、会社でデスクトップPCを使用している場合にテレワークを検討する際にも、大きなメリットになります。
3)管理コストが削減できる
社員ひとりひとりのPCで、OSアップデートやパッチの更新、アプリの管理を実施することは、情報システム部門にとって大きな負担です。VDIであれば、仮想デスクトップを管理者側で一元管理することができ、バージョン管理やセキュリティ対策など、運用側の管理コストを削減することができます。また、PC配布時にはセットアップなどの工数を削減できるほか、端末にデータを保存しないことから、厳格なPC持ち出し申請などの手続きも簡略化できる可能性があります。
4)災害時でも安心
地震、台風、天災、伝染病など、現代は様々な理由で出社が困難だったり、リスクになったりする時代です。VDIであれば、急なテレワークが必要になった時でも、安全に業務を実施することができます。
5)いつでも「同じ環境」で作業可能
会社で使用しているPCと自宅で使用するPCが同一でなくても、タブレット端末からでも、いつでも「同じ環境」で作業できるのはVDIの大きなメリットのひとつです。あのアプリケーションがない、このファイルがない......といったストレスを感じることなく、いつでもどこからでも「いつもの環境」でストレスなく作業できます。
VDIのデメリット
一方、VDIにもデメリットはあります。それは、ネットワーク環境に依存するという点です。仮想デスクトップは、画像転送という仕組み上、どうしても通信量が多くなります。そのため、ユーザー側のネットワークが貧弱だったり、サーバー側に適切な環境構築ができていなかったりすると、レスポンスなどにストレスを感じる場合があります。また、ネットワークやVDIを構築しているサーバーに障害が発生した場合には、データにアクセスできなくなる危険性もあります。
JBCCのVDI最適化ソリューション
「EcoOne VDI for Windows Virtual Desktop」
「EcoOne VDI for Windows Virtual Desktop」は、日本マイクロソフトが提供するクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」上で提供される仮想デスクトップ環境「Windows Virtual Desktop」をベースとしたリモートワーク環境を提供するサービスです。
導入前検証の評価には、レイクサイドソフトウエア社が提供するIT環境可視化ツール 「Systrack」を採用。ユーザーの操作性やシステムで障害となりうる要素を特定し、最適なサイジングで環境を構成します。また、導入後のパフォーマンス課題を明確化し、最適なサイジングをご提案することが可能です。
詳しくはこちらのページをご確認ください。
出社そのものがリスクになりかねない現状では、いつでもテレワークに対応できる準備をしておく必要があります。この機会にぜひ、安全で快適なテレワーク環境を検討されてはいかがでしょうか。
JBCC株式会社JBCC株式会社は、企業のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を支援する総合ITサービス企業です。クラウドサービスを中心にシステムの設計から構築、運用までを一貫して手掛けており、クラウド 2,150社、超高速開発による基幹システム構築 440社、セキュリティ 1,100社の実績があります。 |